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特集 「Not? Special GIFU LIFE」〜ふかわりょうさん、岐阜市の“特別ではない”暮らしってどうですか?〜 #02

特集 「Not? Special GIFU LIFE」〜ふかわりょうさん、岐阜市の“特別ではない”暮らしってどうですか?〜 #02

岐阜市にゆかりのある著名なゲストを招き、岐阜市の“特別ではない”日常を体験していただく企画「Not? Special GIFU LIFE(ノット?スペシャルぎふライフ)」。
第1弾のゲストは、タレント、エッセイスト、ミュージシャンとしてマルチに活躍するふかわりょうさんです。
著書『スマホを置いて旅したら』で岐阜市を訪れるなど、岐阜市にゆかりの深いふかわさんが、2日間にわたって市内を巡り、岐阜市の暮らしの魅力を掘り下げます。

 

「Not? Special GIFU LIFE」1日目の様子はこちら

 

<ふかわりょう>
1974年神奈川県生まれ。1994年に大学在学中の20歳でデビュー。長髪に白いヘアターバンを装着した「小心者克服講座」で一躍ブレイク。テレビやラジオ出演のほか、「ROCKETMAN」名義でDJを続ける。2022年秋に岐阜市を訪れ、翌年4月に『スマホを置いて旅したら』を出版。同年8月に開催された「第1回ぎふ長良川花火大会」の中継番組でスペシャルMCを務めるなど、岐阜市との繋がりも深い。

 

長良川プロムナード 

2日目の始まりは、「長良川プロムナード」から。
川沿いの道が1.3kmにわたる遊歩道として整備されていて、対岸には金華山と、その山頂にそびえる岐阜城を望むことができます。

「昨晩の鵜飼の賑わいが嘘のように静かな時間が流れていました。水位の増減や川の色で、日によって表情を変えるんですね。岐阜市では、いろんな場所から長良川の雄大な流れを眺めることができて、これが日常にあったら、無意識に川に癒されるというか。長良川の存在は大きいと思いますね。」


 DATA <長良川プロムナード>
 住所 長良川右岸の遊歩道


 

岐阜城楽市

長良川プロムナードから、長良橋を渡って徒歩約15分。2025年4月に岐阜公園内にオープンした「岐阜城楽市」にやって来ました。
『「岐阜」を嗜み、OMOTENASHI(おもてなし)を堪能する』というコンセプトのもと、かつて織田信長が行った楽市楽座を現代風に再現した「岐阜城楽市」。岐阜や東海の食が味わえる飲食店や土産屋など11店舗が軒を連ね、観光客はもちろん、地元の人も買い物や休日のお出かけに訪れる場所になっています。

「家紋や武士の絵柄が描かれた“武者のぼり”が風に揺られる様子が高揚感を醸し出していました。かつて信長がつくった楽市にタイムスリップしたかのような気分に浸りながら、ソフトクリームを味わうのもいいですね。」


 DATA <岐阜城楽市>
 住所       岐阜市大宮町1
 営業時間・定休日  店舗によって異なります
 駐車場      岐阜公園駐車場(310円 ※1時間まで無料)
 TEL       052-526-1871(名鉄プロパティマネジメント株式会社)
 URL       https://meitetsu-pm.co.jp/gifujo-rakuichi/


 

岐阜大仏(正法寺)
岐阜城楽市を後にして、次に訪れたのは「正法寺(しょうぼうじ)」。目的は、日本三大仏の一つともいわれる岐阜大仏です。
2代にわたる和尚の托鉢(たくはつ)と地域の支援によって、38年の歳月をかけて1832(天保3)年に建立された、高さ13.7メートルの立派な大仏。ふかわさんも、手を合わせて参拝します。

「圧倒的な存在感で空気を支配していますね。2メートルもの耳と、優しい目。その表情はどこか柔らかで思わず力が抜けるようです。1945(昭和20)年の岐阜空襲の被害にも遭わなかった岐阜大仏。たくさんの人たちに知ってほしいです。」


 DATA <岐阜大仏(正法寺)>
 住所   岐阜市大仏町8
 拝観時間 9:00〜17:00
 駐車場  あり(無料)
 TEL   058-264-2760
 URL   https://www.gifu-daibutsu.com/


 

CASA stella

続いては、織田信長の時代から川湊として栄え、多くの商店が集まる“川原町エリア”を散策。

今でも格子戸のある町家や蔵が多く残り、古い建物を活用した新しいお店もオープンしています。
「CASA stella(カーサ・ステラ)」も、その一つ。築100年を超える元和紙原料問屋「松井邸」をリノベーションし、2025年3月に川原町にオープンした文化観光施設です。

1階には「和傘CASA」「ORGANキモノ」「冷したぬき天国 川原町店」、2階には「OZEKI 川原町gallery」「AKARI gallery」が入居しています。
「和傘CASA」は、岐阜市の伝統工芸品である岐阜和傘の全国唯一の専門店。およそ60本もの和傘がずらりと並びます。ふかわさんも、店長の河口郁美さんから説明を受けながら和傘を広げ、細部にまで宿る手仕事の美しさにじっくりと見入っていました。

「和傘は雨や日差しを防ぐ道具でもありますが、丸いキャンバスに絵が描かれた芸術作品のようでもあります。和傘の定義は骨組みが竹であることだと教えてもらいましたが、打ち上げ花火のような鮮やかさがありながら涼しげなのは、素材が和紙と竹だからでしょうか。」
2階では、岐阜提灯と彫刻家イサム・ノグチが出会って生まれた照明「AKARI」の美しさも存分に堪能しました。


 DATA <CASA stella>
 住所   岐阜市玉井町6
 駐車場  あり(無料)

 <和傘CASA>
 営業時間 11:00〜18:00
 定休日  水曜日、木曜日
 TEL   090-8335-9759
 URL   https://wagasa.shop/

 <OZEKI 川原町gallery> / <AKARI gallery>
 営業時間 11:00〜18:00
 定休日  水曜日、木曜日



冷したぬき天国 川原町店

ちょうどお昼時になったので、CASA stellaの1階にある「冷したぬき天国 川原町店」へ。
岐阜市役所近くに本店を構える人気の冷やしたぬき専門店の2号店で、2025年春のオープン以来、観光客やサラリーマン、地元の方など平日でも多くの人で賑わう人気店です。
「岐阜のソウルフードである“冷やしたぬき”を日本中、そして世界に広めたい!」と、「冷したぬき天国」をオープンした店主・堀川雅規さんの熱い想いを聞いて、この店の冷やしたぬきへの期待を高めるふかわさん。
お目当ての「冷したぬき蕎麦」は、そばが見えないくらいたっぷりの天かすに、ネギ、お揚げ、さらに煎りゴマと昆布の粉末が乗り、圧倒的な迫力と美しさです。

「まず、お皿までキンキンに冷えていたことに驚きました。岐阜市の皆さんは冬でもこの冷たさで召し上がるんですね。冷やしたぬき愛好家の私も、“参りました”と頭が下がります。コシの強いそばで歯応えがありました。」

老舗と新店の冷やしたぬきを食べ比べ、岐阜の“冷やしたぬき文化”の多様さと奥深さに触れた体験でした。

「それにしても、この器の中の彩りが、芸術作品に見えてきました。冷やしたぬきそばを描いた和傘があったら面白そうです。」


 DATA <冷したぬき天国 川原町店>
 住所    岐阜市玉井町6
 営業時間  平日11:00〜17:00、土・日・祝日11:00〜14:30、17:00〜20:00
 定休日   木曜日
 駐車場   なし
 TEL    070-6533-9233
 Inatagram https://www.instagram.com/hiyaten_kawaramachi/


 

鵜匠の家 すぎ山
再び長良川プロムナードに戻り、訪れたのは「鵜匠の家 すぎ山」。天然鮎をはじめとした四季折々の料理と温泉が自慢の老舗旅館です。観光客が宿泊するのはもちろん、日帰り温泉を楽しむ地元の人も多いのだそう。

屋上露天風呂からは、長良川や金華山の景色が一望できます。ふかわさんもその絶景に感激。露天風呂に浸かりながら、ゆったりと雄大な眺めを堪能していました。

「なんて眺めのいい露天風呂!昼間も最高ですが、夜はまた素敵な光景に出会えそうです。」


 DATA <鵜匠の家 すぎ山(日帰り温泉)>
 住所   岐阜市長良73-1
 営業時間 11:30~14:30 ※受付14:00まで
 定休日  不定休 ※事前にお問い合わせください
 入浴料金 大人1,000円(中学生以上) / 小人700円
 駐車場  あり(無料)
 TEL   058-231-0161
 URL   https://www.gifu-sugiyama.com/


 

おおきな木

続いて訪れたのは、伊奈波神社の参道沿いにある岐阜市で唯一の児童書専門店「おおきな木」。

店主の杉山三四郎さんは、いろんな絵本を音楽で楽しむ「さんしろう絵本ライブ」や、絵本や童話を毎月お届けする“本の定期便”「ブッククラブ」、岐阜市周辺の自然の中で遊ぶ「野外塾」、親子のふれあいやことばあそびを楽しむ「ことば塾」など、いわゆる“絵本屋さん”の枠に収まらないさまざまな活動に取り組んでいます。

店内には新刊から半世紀以上愛されてきたロングセラーまで、国内外の作家の絵本や童話などが約1万冊も並びます。

「店名の『おおきな木』は、シェル・シルヴァスタインの名作絵本「おおきな木」からきているんですね。僕が子どもの頃から読んでいた本も、棚に並んでいました。店主の声がやけにいい声だと思ったら、ギターを担いで歌手活動もされていると知り、子どもたちの笑顔が浮かびました。」


 DATA <おおきな木>
 住所   岐阜市伊奈波通3-11
 営業時間 10:00〜18:00
 定休日  火曜日、水曜日
 駐車場  あり(無料)
 TEL   058-264-2393
 URL   https://www.ehon-ookinaki.com/


 

バナナレコード 岐阜店
最後に訪れたのは、名鉄岐阜駅前にある「バナナレコード 岐阜店」。名古屋・大阪・神戸・京都・岐阜・岡崎に9店舗を構える中古レコード専門店で、岐阜店は1991(平成3)年にオープン。現在は店長の兒玉祐介さんが店舗の運営を担当しています。

CDやレコードがびっしりと並ぶ黄色い棚と、窓に描かれた大きなバナナのイラストが目を引きます。
1日目の「DISCOVERY」に続いて「バナナレコード」でも、多岐にわたるジャンルの豊富な品揃えの中から、気になるレコードを試聴して楽しみます。

「店によって品揃えが違うからこそ、いろんな店に足を運ぶのが楽しいですよね。ここにはクラブ系のアナログレコードが多く揃っていて、ついつい2枚買ってしまいました。」


 DATA <バナナレコード 岐阜店>
 住所   岐阜市住ノ江町1-14-2 小森ビル2階
 営業時間 11:00〜20:00
 定休日  なし
 駐車場  なし
 TEL   058-263-6638
 URL   https://bananarecord.jp/shop_information/shop_gifu


 

***


2日目は長良川周辺のエリアを中心に、岐阜市の伝統と新しい文化を感じるスポットを巡り、岐阜市の“特別ではない”日常を体験する「Not? Special GIFU LIFE」が終了しました。


最後に、ふかわさんに2日間の感想を語っていただきました。

今回、岐阜市の“特別ではない”日常を体験して感じたことや、岐阜市の印象を教えてください。

「以前、『スマホを置いて旅したら』という本の執筆で美濃市や郡上市、そして岐阜市を訪れましたが、今回もその時のような充足感があって、自分自身の心を充電するような気分になりました。居心地が良く、いい湯加減の温泉に浸かっているような気持ちでしたね。それから、訪れた場所で目にするもの、耳に入ってくるものが普段の生活とは違う形ですっと心に染み込んでいき、刺激がありましたし、新しい出会いもありました。」

実際に岐阜市に暮らすとしたら、どんな暮らしができそうですか?

「純粋に、良い友達ができそうだなと思います。例えば、本屋さんとかレコード屋さんで人や作品との出会いがあり、そこから会話が生まれて知り合いができたり。特にお店での店主との会話って、すごくいいなと思うんですよね。あの感覚は、また味わいたいなと思います。」


ふかわりょうさんが体験した「Not? Special GIFU LIFE」の2日目の様子は、こちらの動画をご覧ください!
「Not? Special GIFU LIFE」1日目の様子はこちら

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