特集 「Not? Special GIFU LIFE」〜ふかわりょうさん、岐阜市の“特別ではない”暮らしってどうですか?〜 #01

岐阜市にゆかりのある著名なゲストを招き、岐阜市の“特別ではない”日常を体験していただく企画「Not? Special GIFU LIFE(ノット?スペシャルぎふライフ)」。
第1弾のゲストは、タレント、エッセイスト、ミュージシャンとしてマルチに活躍するふかわりょうさんです。
著書『スマホを置いて旅したら』で岐阜市を訪れるなど、岐阜市にゆかりの深いふかわさんが、2日間にわたって市内を巡り、岐阜市の暮らしの魅力を掘り下げます。
<ふかわりょう>
1974年神奈川県生まれ。1994年に大学在学中の20歳でデビュー。長髪に白いヘアターバンを装着した「小心者克服講座」で一躍ブレイク。テレビやラジオ出演のほか、「ROCKETMAN」名義でDJを続ける。2022年秋に岐阜市を訪れ、翌年4月に『スマホを置いて旅したら』を出版。同年8月に開催された「第1回ぎふ長良川花火大会」の中継番組でスペシャルMCを務めるなど、岐阜市との繋がりも深い。
New Bora Bora
まずは、岐阜市の暮らしに根付く“モーニング文化”を体験するため、元宮町の喫茶店「New Bora Bora」へ。木々や花に囲まれた入り口を抜け、ドアを開けるとフレンドリーな店員さんや常連さんが出迎えてくれました。
ウインナーコーヒー 630円(税込)+モーニングサービス(洋)
コーヒーを注文すると、トーストやサラダ、ヨーグルトなど、ボリュームたっぷりのモーニングセットが付いてくるのが、岐阜市の“モーニング文化”の醍醐味です。
New Bora Boraのモーニングは「和」「洋」から選べて、ふかわさんは「洋」をセレクト。厚切りのトースト2枚、サラダに加え、ババロアにお赤飯と、他店にはないユニークな献立にはふかわさんもびっくり。お米や野菜、フルーツは地元のものを使用し、彩り豊かにつくられたモーニングは長年地元の方々に愛され続けています。
「お赤飯とトーストの組み合わせが新鮮!お皿いっぱいに詰まったモーニングプレートは、さながら城廓のようでした。大きな窓から覗く木々の緑が目に優しく、従業員さんも朗らかで。地域の人たちが集う場所として愛されているのを感じ、とても居心地が良かったですね。これは常連になってしまいます。」
DATA <New Bora Bora>
住所 岐阜市元宮町2-14
営業時間 7:30〜17:00 ※土曜日は16:00まで
定休日 日曜日、祝日
駐車場 あり(無料)
TEL 058-252-6611
ロイヤル劇場続いて、アーケードの下にレトロな商店や建物が立ち並ぶ、柳ケ瀬商店街へ。
目的地は、名画座「ロイヤル劇場」。かつて約10軒の映画館が立ち並んだ柳ケ瀬商店街に今も残る映画館の一つで、1977(昭和52)年のオープン以来、現在も昭和フィルム映画の上映を続けています。
往年のスターたちが描かれた入り口の看板、館内で昔懐かしい駄菓子やおやつを販売する売店など、随所に昭和の香りが漂います。ふかわさんもチケットを購入し、劇場内へ。
ロイヤル劇場では名作フィルム映画の上映が1日数回行われ、作品は1週間に一度のペースで替わります。ネットでは公開されていない作品や、普段は観られないジャンルの作品に出会えることも、この映画館ならではの体験です。
商店街へふらりと散歩に出かけ、ロイヤル劇場で思いがけず好きな作品と出会う。そんな岐阜市の日常のワンシーンを体験したひとときでした。
「初めて訪れるのに、すべてが懐かしく、令和から昭和にタイムスリップしたかのようでした。銭湯のように、ただぼーっと座って昭和に浸かるのもいいかもしれません。」
DATA <ロイヤル劇場>
住所 岐阜市日ノ出町1-20 ロイヤル劇場ビル4階
定休日 無休
駐車場 なし
入場料金 600円
TEL 058-264-7151(CINEX[シネックス])
URL http://www.tochiko.co.jp/royal.html
更科
柳ケ瀬商店街を散策し、次に向かったのは「更科」。ふかわさんたっての希望で “冷やしたぬき”を食べに訪れました。
実は20代の頃から冷やしたぬきそばが好きで、東京でよく食べていたというふかわさん。冷やしたぬきが岐阜のソウルフードだと知り、一度味わってみたかったのだそう。
「東京では、冷やし中華のような浅めのお皿に天かす、きゅうり、ナルト、わかめなどが乗っていたりしますが、岐阜の“冷やしたぬき”は深めの丼に盛り付けられて、具材は実にシンプル。しかも、驚くことに“きつね”がいるじゃないですか!」
と、そばに天かす(たぬき)とお揚げ(きつね)の両方が乗った岐阜ならではのスタイルに驚いた様子。
活気あふれる店内に、素早い提供、そして一切の無駄がないシンプルなそば。岐阜の“冷やしたぬき文化”を代表する老舗の味を、存分に堪能したようです。
DATA <更科>
住所 岐阜市京町3-4
営業時間 10:30~18:00 ※ラストオーダー17:45
定休日 木曜日、1月1日〜3日
駐車場 あり(無料)
TEL 058-265-9594
URL https://www.tanuki-soba.com/
岐阜市役所 市民交流スペース ミンナト
次に訪れたのは、更科から歩いて5分ほどの場所にある、岐阜市役所1階の市民交流スペース「ミンナト」。学生が放課後の時間を過ごしたり、市役所を訪れた方が休憩をしたりする憩いの場として市民に親しまれています。
そして、ここには“ストリートピアノ”としてグランドピアノが設置され、誰でも自由に演奏することができるのです。
幼少期からピアノを習っていたふかわさんもピアノを演奏!優しく穏やかな音色で、その場にいた利用者のひとときを癒してくれました。
「音の噴水に人々が集う風景は良いですね。岐阜市役所の向かいにある『みんなの森 ぎふメディアコスモス』も含め、ここは人々の交流を守ってくれる場所だと感じます。」
DATA <岐阜市役所 市民交流スペース ミンナト>
住所 岐阜市司町40-1 岐阜市役所1階
スペース開放時間 8:00~20:00
閉庁日 年末年始(12月29日〜1月3日)
※スペース貸出利用等により、ピアノの利用ができない日時があります。
詳細については岐阜市役所HPをご覧ください。
駐車場 あり(岐阜市役所駐車場30分/100円 ※館内利用者は入庫後2時間まで無料)
TEL 058-265-3888(岐阜市役所管財課)
URL https://www.city.gifu.lg.jp/info/chousha/1009515/1028946.html
DISCOVERY
続いては、中古レコード専門店の「DISCOVERY」を訪れました。
10坪ほどの店内には、日本や海外のロック、ポップス、ジャズ、ソウル、ワールド、サントラ、ヒップホップなど、お客さんからの買取品を中心としたレコードがずらり。CDやDVD、古本も販売しています。
「ROCKETMAN」という名義で音楽活動も行うふかわさん。昔からレコードショップやレンタルビデオ屋に通い、店員さんと音楽談義をしたり、おすすめの映画を教えてもらったりと、そこでしかない出会いを楽しんできたのだそう。
20代の頃から25年以上にわたりレコードを収集し、豊富な知識と経験を持つ店主の吉住さんとも、おすすめのレコードを聞いたり、好きなレコードの話で盛り上がったりと、あっという間に打ち解けていました。
「吉住さんと、店内に飾ってある映画のポスターから監督の話に花が咲いて。レコード探しは、『DISCOVERY』という店名にもある通り“発見”ですね。棚に並ぶ無数のアナログ盤をめくりながら、試聴したり、あえて試聴せずに“ジャケット買い”するのも楽しいです。」
DATA <DISCOVERY>
住所 岐阜市玉宮町1-3 森麻ビル3階
営業時間 12:00~19:00
定休日 火曜日、水曜日
駐車場 なし
TEL 058-262-0808
URL https://discovery-gifu.net/
菊川酒蔵 東店
日も暮れてきた頃、お腹を空かせてたどり着いたのは、柳ケ瀬商店街にある「菊川酒蔵 東店」。定番から変わり種まで豊富なメニューが揃い、地元で愛されている居酒屋です。
「むかしのコロッケ」「京あげ焼」「からし豆腐」と、広い店内の壁にびっしりと並ぶ手書きのメニューが、昭和の居酒屋の味わい深い雰囲気を演出しています。ふかわさんは、看板メニューの「ガリバーサラダ」に、甘辛く味をつけたこんにゃくに鰹節をまぶし揚げた“こんから”こと「こんにゃくの唐揚げ」、岐阜名物の「明方ハム」、「からし豆腐」、「鶏ちゃん」を注文。
キャベツの千切りに、にんじんやホワイトアスパラ、大根のスティック、トマト、ハム、シーチキン、さらには大きなスイカまで乗った、特大サイズの「ガリバーサラダ」が目の前に運ばれ、その迫力に思わず苦笑を漏らすふかわさん。
「すごい迫力!これ、何人前ですか?(笑)」
カウンター越しに店長の岩木正弘さんと会話を交わしながら、岐阜の日本酒や焼酎も楽しみます。
「大将のノリも良くて、一人でも居心地のいい店でした。」
DATA <菊川酒蔵 東店>
住所 岐阜市柳ケ瀬通2-17 江戸ッ子ビル2階
営業時間 17:00~23:00 ※日曜日のみ16:00〜22:00
定休日 月曜日
駐車場 なし
TEL 058-265-5150
ぎふ長良川の鵜飼
1日目の終わりは、長良川プロムナードへ。5月11日から10月15日の期間、長良川で中秋の名月と増水時を除き、毎日行われている「ぎふ長良川の鵜飼」を川辺から見物します。
19時45分ごろ、鵜飼の始まりを知らせる花火が上がり、篝火(かがりび)を灯した鵜舟がゆっくりと川上から現れます。まずは、川の状況や出船状況によって、観覧船が1隻の鵜飼舟と並行して川を下る「狩り下り」、左岸に停泊している観覧船に鵜舟が近づき、川を下りながら鵜飼をする「付け見せ」のどちらかが観られます。
この日は「付け見せ」が披露されました。鵜舟が近づいてくるのを見て観覧船のお客さんから歓声が上がる様子を、対岸から眺めるふかわさん。暑い1日でしたが、夜は心地よい川風が吹き、穏やかな時間が流れます。
そしてクライマックスは、6隻の鵜舟が横一列に並び、鮎を浅瀬に追いやって捕らえる「総がらみ」。水面に篝火が映り、ぼんやりと鵜舟のシルエットが闇夜に浮かび上がる景色はなんとも幻想的です。
「こんなにも幻想的なのは、周りに光がほとんどないからでしょうね。他の川でやっても同じようにはならないと思います。長良川の鵜飼のこの景色は、ずっと大切にしてほしいなと思いますね。」
DATA <ぎふ長良川の鵜飼>
住所 岐阜市湊町1-2(岐阜市鵜飼観覧船事務所)
開催期間 5月11日~10月15日 ※中秋の名月及び増水等で鵜飼ができない日は中止
鵜飼時間 19:45頃開始 ※イベントなどにより変動あり
駐車場 岐阜公園駐車場(1回利用310円)または鏡岩緑地駐車場(無料)
TEL 058-262-0104
URL https://www.ukai-gifucity.jp/
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こうして、岐阜市の暮らしの魅力を体験する「Not? Special GIFU LIFE 」の1日目が終了。食文化からカルチャー、長良川の景色まで、岐阜市の“特別ではない”日常のさまざまなシーンをふかわさんに体験していただくことができました。2日目の様子は、次回の記事でご紹介します。どうぞお楽しみに!
ふかわりょうさんが体験した「Not? Special GIFU LIFE」の1日目の様子は、こちらの動画をご覧ください!
「Not? Special GIFU LIFE」 2日目の様子はこちら
投稿日:2025.09.26 最終更新日:2025.09.30