座談会「岐阜市を語ろう」


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岐阜市を語ろう人物紹介

 

「この人から買いたい」と思われる人に。

—まず、皆さんのお仕事やこれまでの経歴を教えてください。

木方史人さん木方:古着とオリジナルブランドの商品を扱う、「NEW OLD YORK」というショップを経営しています。以前はブランド古着をネットで販売する仕事をしていました。その後、自分で店をやりたいと思った時にご縁があったのが、柳ケ瀬商店街の中にある「やながせ倉庫」です。そこで場所を借りて経験を積んだ後、現在の場所に店を移転しました。

髙橋:私は十六銀行で営業担当として働いています。岐阜市出身ですが大学時代は名古屋で一人暮らしをしていました。卒業後、自分が生まれ育ったまちで働きたいと思い、岐阜の銀行に就職しました。

安藤:私はアパレルの店とお菓子屋さんでアルバイトをしながら、イベントに出店して自作のアクセサリーを売ったりしています。自分の店を持つことが将来の目標で、カフェのような形態にしてアクセサリーも置きたいと思っています。

—安藤さんが今特に力を入れているのはどんなことですか?

安藤:私はアルバイトを掛け持ちして、お菓子屋さんでお菓子づくりの勉強をするなど、今後の自分のためになることを一つでも多く吸収しようと思っています。ただ、その中でもアパレルの接客は特に難しさを感じます。商品を買うかどうか決まっていないお客さんに、こちらから声をかけるという接客なので。

木方:その難しさは分かるよ。僕も、店で接客すること自体は今でもそんなに得意じゃない。だから、店に立つ以外の時間を使って自分を高めることを心がけているよ。物の考え方やコミュニケーションも大事だし、音楽などの知識を深めてお客さんとの接点を増やすことも必要だと思っている。

安藤:そういう日々の努力が必要なんですね。

髙橋:自分を高めることの大切さは、私も日ごろから感じています。入行3年目の今年から営業担当になったのですが、正直壁にぶつかることも多くて。お客様のニーズにお応えすることの難しさを感じています。

—たとえばどういうニーズがあるのですか?

髙橋銀行の役割として、一般的にはお金を「お預かりすること」と「融資すること」の2つをイメージされると思うのですが、私たちがやっている仕事は他にもいろいろあります。たとえば資産運用のご相談に乗ることや、お客様に新しい販売先や仕入先をご紹介することなどです。幅広い対応力が求められる仕事だと感じています。私はまだ営業の経験が浅いので、まず目の前のお客様に向き合い、自分の提案の幅を広げる必要があると思っています。

鵜飼ってこんなにきれいだったんだ。

—続いて、岐阜市で生活されている皆さんに、市の魅力を語っていただきたいと思います。

木方:たくさんありますよ。名古屋市出身の僕から見て、岐阜には面白さしか感じないです。僕は京都や東京で生活した後、結婚と同時に岐阜に来たのですが、岐阜に住み始めたら「一生ここで暮らしたい」と思いました。

髙橋:岐阜を気に入った理由は何ですか?

木方:まず、食べ物がおいしい。そして人が多すぎず、排他的な感じがない。さらに岐阜の人のすごく良いところだと思うのは、プライドが高すぎないところ。あまり自分のまちのことを自慢しないよね?

安藤:そうですね。自慢しないどころか、「岐阜には面白いところが何もない」とか言う人もいますね。

木方:そう。自分のことを謙遜する感じ。でもその一方で、ものすごく職人気質でこだわりを持って面白いものを作っていたりする。そういう気質に魅力を感じる。

髙橋:確かに私も名古屋に住んでいた時、仲が良かったのは岐阜出身の人が多かったです。偶然かもしれませんが、何となくお互いの波長が合ったのかもしれません。

安藤:あと、「岐阜には面白いところがない」という人の中には、本当に岐阜の魅力に気づいていない人もいる気がします。この前友だちとご飯を食べに行った時に、金公園のあたりのお店を案内したら、「知らなかった。岐阜にこんなにいいお店がたくさんあるんだ!」と驚いていました。

髙橋:私も最近、同じようなことを感じました。新型コロナウイルスの影響がある中なので、地元を利用しようと思い、生まれて初めて長良川沿いの旅館に泊まったんです。間近で見る鵜飼が想像以上にきれいで、こんなに楽しめる場所だったのかと感動しました。岐阜市民は意外と外に目が向いてしまっていて、地元の魅力に気づいていないのかもしれないですね。

安藤:そう思います。イベントなどでお客さんと話していても、県外から来る人の方が岐阜のことを「面白い」と言ってくれますね。

木方:そうそう。うちの店のインスタグラムのフォロワーさんも、7割くらいが名古屋の人だよ。来店された時に、「面白いスポットありますか?」とか「このへんでおいしいご飯屋さんを教えてください」とかよく聞かれる。うれしいけど、もうちょっと岐阜の人が来てくれたら……という寂しさもある(笑)。

安藤:「灯台下暗し」みたいな感じになっているのかもしれないですね。

岐阜だけで一日の楽しみが完結する。

安藤由奈さん木方:ところで岐阜って、まち歩きの規模がちょうど良くない?食事できる店も飲み屋さんもコーヒースタンドも近くにそろっていて、使い勝手がいい。

安藤:洋服屋さんも雑貨屋さんもありますしね。岐阜のまちだけで一日の楽しみを完結できますね。岐阜の店で買い物をする時は、ただ商品を買うだけではなく「人と関わる楽しさ」というプラスアルファのものをもらえる気がします。

木方:県外から友だちが来た時に、連れていくと喜ばれるのが、超ローカル喫茶みたいなB級スポット。柳ケ瀬周辺とかは特にそういう楽しみがあるよね。

安藤:私もイベントなどで関わる機会が多いので柳ケ瀬は好きです。でも、岐阜に住んでいる人でもたまに、「柳ケ瀬に行ったことがない」っていう人いませんか?

髙橋:実は……私がそうです。柳ケ瀬には、ちゃんと行ったことがありません。

木方:ここにいたとは(笑)! 髙橋さんは、買い物をする時はどこに行くの?

髙橋:名古屋に行くことが多かったです。でも、今日お二人の話を聞いて、柳ケ瀬を楽しんでみたいと思いました。これからはもっと、岐阜のいろんな場所をめぐってみようと思います。

—これからの岐阜市はどうなっていってほしいと思いますか?

木方:いろんな可能性があると思います。まず思うのは、鵜飼などの観光を含めて岐阜の楽しみ方を小旅行としてパッケージングしたら、魅力的な提案ができるということ。僕は今経営している店とは別に、ゲストハウスをやりたいと思ったことがあって。岐阜に泊まってもらう前提で考えれば、もっと違った魅力を発信できると思います。あと、それとは別の視点で、若い人が集まれるスポットがもっとあったらいいと感じています。自分自身がそういう場所づくりに関わりたいと思っています。

安藤:私はさっきの話に出たように、岐阜の人たちが謙遜するのではなく、「岐阜はすごいよ!」と誇れるまちになってほしいと思います。たくさんの人が、岐阜の魅力に気づいてくれたらうれしいですね。

若い世代の人に挑戦のきっかけを。

—今は新型コロナウィルスの影響を受けて、大変な思いをしている経営者の方も多いと思います。皆さんの周囲はどのような感じでしょうか。

高橋陽介さん木方:僕と同じような規模の経営者は、厳しいながらも何とか商売を続けている感じだと思います。ただ、大きな規模で事業をしている人は、やはり大変そうだと感じます。

髙橋:そうですね。私が知っている限りでも、2020年の4月くらいからどの業界も売上が落ちている状態だと思います。その中でも人件費や経費を払っていかないといけないので、とても厳しい状態にあると感じます。「従業員の給料を払うために借り入れをしたい」といった形で銀行を頼ってくださるお客様に、どう応えていくかが今の課題です。お客様のお困りごとに応えることが銀行の役割だと思うので、少しでもお力になりたいと思っています。そういう経験を積み重ねて、地元に恩返しできるようになることが目標です。

—安藤さんと木方さんの今後の目標も教えてください。

安藤:私は自分の店を作るために準備しているところです。私がいろんな仕事をする中で分かってきたのは、人と話すのが好きだということです。来店されたお客さんと深く関わることができ、さらにお客さん同士の新しいつながりが生まれるような、魅力的な店を作りたいと思っています。

木方:僕も自分の店を発展させていろいろやってみたいことはあります。そしてそれとは別に考えているのが、自分よりも若い世代に挑戦のきっかけを与えられるような人になること。「やってみたいことがあるけど何から始めたらいいか分からないので教えてください」ということを最近よく言われます。でも、自分で商売をやりたいと思っても、最初から資金を用意して店を構えるのはハードルが高いと思うんです。

安藤:そうですね。私もその難しさを感じます。

木方たとえば自分の経験を振り返ってみると、やながせ倉庫という、商売を始めやすい場所があったからこそ、ステップを踏んで店を作ることができた。だから自分も、若い人が大きなハードルを越えるための中間のステップを用意してあげたいと思っています。

安藤:今度相談に行きます。ぜひよろしくお願いします!

髙橋:お二人とも、「将来こうしていきたいんだ」という目標を明確に持っていて尊敬します。

安藤:私は髙橋さんの地元に対する熱い思いを聞いて、すごいと思いました。地元への恩返しをがんばってほしいです。

木方:髙橋さんが、これを機に岐阜のまちの楽しさに目覚めてもらえたらうれしいな。きっと人生の楽しみが増えると思うよ。

髙橋:そうですね、次に3人で会う時は、柳ケ瀬で食事でも!

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