アユ食べよう!
Let’s eat AYU!

岐阜を象徴する食べ物と言えば、やっぱり鮎。「ちゃんと鮎を食べたことがないかも…」という方のために、鮎料理を食べられるお店や、鮎の魅力に触れるスポットをご紹介したい。

■平工 顕太郎さん
長良川の川漁師。7艘の漁船を所有して天然鮎の水揚げ、出荷、卸売市場での買付けを担う。岐阜市の「&n(アンドン)」に漁船エコツアーの受付カウンターを設けるほか、各務原市の鮎料理店では「熟鮓」などの郷土食を提供する。

長良川の天然鮎の魅力を知りたい! そう考えて、長良川の川漁師・平工顕太郎さんを訪ねた。「鮎は、季節の変化を感じさせてくれるとてもいい魚なんです」。鮎と言えば夏に食べる塩焼きのイメージが強いが、それだけでは少しもったいないそうだ。「初夏と盛夏と秋で、鮎の味は変わります。鮎は1年で一生を終える回遊魚です。海と川でそれぞれ半年ほど過ごすのですが、川に生息する半年で3回味の違いを楽しむことができます。初夏の若鮎は体が小さく骨は柔らかいです。盛夏は体が大きく脂が乗ってきます。そして成長と共に骨が硬くなります。私が運営するエコツアーや鮎料理店では塩焼きを提供する際、鮎の個性に合わせて焼き加減を変えます。秋の鮎は落鮎と言って、卵や白子を楽しむことができます」。

天然鮎は木箱に入れられ、競りにかけられる。
岐阜市中央卸売市場には全国でも珍しい天然鮎の競り台がある。
回遊魚の鮎が生きる場所として長良川をどう見ているか平工さんに尋ねた。「長良川は本流にダムがなく、回遊魚としての1年の命をまっとうできる鮎がまだ存在しています。海から新しい鮎の命が上ってきた時、『おかえり』と言えるのは、他の川にはない感覚だと思います」。平工さんは漁船エコツアーや自然学校なども開催し、地域の人々に川と親しむ機会を提供している。「よく『鮎は清流に生息する』と言いますよね。水生昆虫や蟹などの多様な生き物が土壌を作り川の濁りを浄化してくれるおかげで、鮎が生きられる環境ができているんです。その壮大な物語を想像していただきたいと思います」。鮎のおいしさを感じたら、鮎が育つ環境を思い浮かべ、川の未来のためにひとつでもアクションを起こしてほしい。そんな言葉を最後に聞かせてくれた。

鮎の熟鮓(なれずし)
■天然鮎専門 結の舟
岐阜市長良45-1
080-8256-4295
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続いて訪れたのが、川原町にある「泉屋」さん。こちらのお店では、いろいろな料理を楽しめる鮎のコース料理をいただいた。中でも圧巻は、名物の「鮎らーめん」。上湯スープに昆布・鰹節の出汁をブレンドし、鮎焼きほぐしと鮎脂を加えたスープは、さっぱりとした中にも深みのあるおいしさ。その上に乗る鮎の天日干しは、備長炭で焼き上げた香ばしさが魅力だ。他にも、「鮎塩焼」「鮎うるか焼」などのテイクアウトメニューや、「鮎のリエット」「天然鮎」の魚醤など、ここにしかない加工品を買うこともできる。

鮎らーめん

若鮎の天ぷら
■鮎料理専門店 川原町泉屋
岐阜市元浜町20
058-263-6788
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鮎の魅力を探るべく、岐阜市内の料理店やスポットをめぐる企画。最後に、名鉄岐阜駅のすぐ目の前にある「居酒屋 蛍」さんを訪れた。こちらは、郡上八幡 吉田川の「郡上鮎」を地元の漁師の方から直接買い付け、提供しているお店。多様なメニューと一緒に本格的な鮎料理を味わえるとあって、根強いファンも多いそうだ。「郡上鮎の塩焼き」は香ばしい皮の食感と身のホクホク感を楽しめる、絶妙の焼き加減。「鮎雑炊」は鮎の出汁がきいていて、やさしい味わいが口の中に広がる。

鮎の塩焼き

鮎雑炊
■居酒屋 蛍
岐阜市長住町2-3
058-263-7566
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投稿日:2025.12.24 最終更新日:2025.12.24