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特集 「Not? Special GIFU LIFE」〜甲斐みのりさん、岐阜市でどんな“すき”を見つけましたか?〜 #02

特集 「Not? Special GIFU LIFE」〜甲斐みのりさん、岐阜市でどんな“すき”を見つけましたか?〜 #02

岐阜市にゆかりのある著名なゲストを招き、岐阜市の“特別ではない”日常を体験していただく企画「Not? Special GIFU LIFE(ノット?スペシャルぎふライフ)」。 第2弾のゲストは、文筆家の甲斐みのりさんです。 プライベートや仕事で何度も岐阜市を訪れ、2024年には岐阜市の複合文化施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」が発行する季刊紙「メディコス文化道」にてコラムを執筆するなど、岐阜市にゆかりの深い甲斐さんが、2日間にわたって市内を巡り、岐阜市の暮らしの魅力を掘り下げます。   「Not? Special GIFU LIFE」1日目の様子はこちら   <甲斐みのり> 1976年静岡県生まれ。旅、散歩、お菓子、地元パン、手土産、建築、雑貨や暮らしなどを主な題材に、書籍や雑誌、WEBなどに執筆。訪れた土地の魅力を見出して綴る愛しみのある文体で、全国に多くのファンを持つ。自身を変えるきっかけとなった“すき”を書き連ねた「すきノート」を紹介する『「すきノート」のつくりかた』ほか、著書多数。2024年に「メディコス文化道」VOL.13〜15にて「甲斐みのりが歩く 岐阜の文化地図」を執筆。 http://www.loule.net/   サカエパン 2日目はJR岐阜駅南口近くにあるパン屋「サカエパン」からスタート。1947(昭和22) 年にパンの卸として創業し、1992(平成4)年に店舗を開業した「サカエパン」。早朝から夜まで、営業中はひっきりなしにお客さんが訪れる人気店です。 甲斐さんも、そんな「サカエパン」ファンのひとり。岐阜市を訪れるときはもちろん、名古屋に用事があるときも、サカエパンでパンを買うためにJR岐阜駅まで足を運ぶのだそう。 「『あんぱんちゃん』のように甘いパンには“ちゃん”、『やきそばくん』のようにおかず系のパンには“くん”がついていて、パン一つ一つが人格を持っているところが好きなところ。そんな目線で見ていると、本当にパンが可愛く見えたり、凛々しく見えたりするんです。(笑)」 曜日や季節限定の商品なども入れ替わり、毎日60~70種類のパンが並びます。どのパンも具がたっぷり入っていて、子どもから大人まで愛されるシンプルな美味しさです。 「お客さんがたくさんのパンをトレーに乗せて買っていくのを見て、『誰かのために買っていくのかな。それともパン好きで、自分でたくさん食べるのかな?』とか、そこにいる人たちの暮らしも想像しながら、自分もパンを選ぶのがすごく楽しくて。」  DATA <サカエパン>  住所   岐阜市加納栄町通1-9  営業時間 6:50~19:00  定休日  不定休  駐車場  あり(無料)  TEL   058-271-0290   金神社 仕事やプライベートで全国各地の神社やお寺を訪れている甲斐さんは、“その土地の神様には、朝のうちにご挨拶”を基本として守っているのだそう。この日はJR岐阜駅から徒歩約10分のところにある「金(こがね)神社」を参拝しました。大きな金色の鳥居をくぐって、境内へ入ります。 “こがねさん”の愛称で地域の人に親しまれている「金神社」は、金運や商売繁盛のご利益があるとされ、特に初詣の時期や「金の御朱印」がもらえる毎月最終金曜日には、多くの参拝者で賑います。早速、甲斐さんも金運・勝運・開運・招福への願いを込めて、手を合わせました。 「仕事の途中で立ち寄っている雰囲気の方もたくさん訪れている様子で、みんなに親しまれているところも良いなと思いました。私も地域に根付く神社で、おまもりを持ち帰りたいなと思い、小さなおまもり『金(こがね)守』を授与していただきました。」  DATA <金神社>  住所   岐阜市金町5-3  授与所  9:00〜17:00  駐車場  あり(参拝の方のみ)  TEL   058-262-1316  URL   https://koganejinjya.com/   柳ケ瀬商店街 参拝を終えると、金神社からすぐ北にある「柳ケ瀬商店街」を散策。戦後、全国でも有数の繁華街として栄えた商店街。昭和から続くレトロな飲食店や映画館が並ぶほか、若い世代が古い建物を活かして新しいお店やギャラリーを始めたりと、新旧のお店が混ざり合い、現在も変化し続けています。 「 “ここにカフェがあったらいいな”とか、“自分がここでお店をやるとしたら何ができるかな、古道具屋さんとか古本屋さんもいいな”とか、そういうことを考えながら商店街を巡るのが楽しかったです。イメージが膨らむ素敵な建物がたくさんあるので、本当に可能性がたくさんあるなと感じました。」 アーケードの下を歩きながら、途中で気になるお店が目に入って立ち寄ったり、古い看板や街角のモチーフを見つけて写真を撮ったりと、柳ケ瀬散策を満喫する甲斐さん。「古道具mokkumokku」では、椅子や木のバインダー、マッチ箱など、古道具や古材を手に取りながらレトロな空間を楽しみました。 「新しいものと古いものを合わせて使うことが好きで、古道具は自分の暮らしにも取り入れています。mokkumokkuさんはお店の方が古材や端材を使ったオリジナルプロダクトを作られているのがとても良いなと思いました。」  DATA <柳ケ瀬商店街>  URL https://yanagase-gifu.com/  DATA<古道具mokkumokku>  住所   岐阜市柳ケ瀬通2-24  営業時間 12:00~17:00  定休日  火曜日、水曜日、木曜日  駐車場  なし  TEL   0120-212-339  URL   https://www.instagram.com/gifu_mokkumokku/   三河亭 お昼は、柳ケ瀬商店街を抜けて北に5分ほど歩いたところにある洋食屋「三河亭」で。 1894(明治27)年に岐阜で初めての洋食店として開業した老舗「三河亭」。2013(平成25)年に一度休業したものの、2021年7月に復活を果たし、現在も岐阜市民に愛され続けています。 そんな三河亭の看板メニューが、丼に入ったカレーライスに目玉焼きが乗った「高等ライス」。門外不出の秘伝のレシピでつくられている特製ソースをかけて食べるのがポイントです。 玉ねぎや豚肉の甘みが凝縮され、少しスパイスが効いたとろみのある欧風カレーに、じっくりと煮込んだ野菜の旨みとほどよい酸味が広がるソースを組み合わせることによって、オリジナルの味わいを生み出しています。4代目の中島稔さんの娘である服部恵美さんに「高等ライス」の復活物語を聞きながら、甲斐さんもいざ実食。 「まろやかで上品な風味の中、後からほわんと顔をのぞかせるスパイスがクセになって、これはリピート必須ですね!」  DATA <三河亭>  住所   岐阜市八ツ寺町1-2  営業時間 11:00~14:00  定休日  日曜日、月曜日  駐車場  あり(無料)  TEL   058-262-2618  URL   https://www.instagram.com/mikawatei1894/ ぎふしんフォーラム(岐阜市民会館) 建築に造詣が深い甲斐さんが訪れたのは、「ぎふしんフォーラム(岐阜市民会館)」。 近代建築の粋を集め、市の「文化の殿堂」として1967(昭和42)年に開館した「ぎふしんフォーラム(岐阜市民会館)」。クラシックコンサートや演劇、舞踊、映画などのイベントができる大ホールがあるほか、展示ギャラリー、スタジオ、会議室を備え、地域の文化芸術の拠点施設としても親しまれています。ル・コルビュジェの弟子として知られる建築家の坂倉準三氏が手がけた名建築で、全国から建築目当てに訪れる人も多いのだそう。そして、甲斐さんもこの建築に惚れ込んだ一人です。 「実は、『ぎふしんフォーラム』の円錐台形の大ホールを覆う“大仏タイル”と呼ばれる表情豊かな色合いのタイルを待ち受け画面にしていたこともあるほど、この建物のファンなんです。」 手すりの曲線が美しい螺旋階段や壁のタイル、下の角が丸くなった窓のデザイン、ドアノブなど、細部までじっくりと、その美しさを味わいました。  DATA <ぎふしんフォーラム(岐阜市民会館)>  住所   岐阜市美江寺町2-6  営業時間 8:00〜21:30 ※夜間の利用がない場合は17:30に閉館  休館日  年末年始 (12月29日〜1月3日)  駐車場  あり(無料)※主催者用駐車場のため開放されない場合あり  TEL   058-262-8111  URL   https://gifu-civic.info/   プルシック 次はおやつを求めて、岐阜市の中心市街地から少し足を伸ばし、琴塚にある洋菓子店「プルシック」へ。 「シンプル&ベーシック」というコンセプトのもと、2010(平成22)年にオープンしたこのお店には、クリームのようになめらかな食感が特徴の看板商品「TOKOROプリン」を中心に、季節のプリンやロールケーキなどが並びます。 お店のオーナーシェフの所浩史さんは、実はイタリアンレストラン「パステル」からパスタに合うプリンとして1993(平成5)年に発売され、大ブームを巻き起こした「なめらかプリン」の生みの親。 甲斐さんも、なめらかプリンの大ファンだといいます。 「初めてパステルのなめらかプリンを食べた時に、プリンのイメージが覆されて。体にプリンが染み込んでいくような心地よさを感じて、忘れられない体験だったんです。そして今日、私に“なめらかなプリンが好き”という人生の楽しみを持たせてくれた“プリンの神様”に会えました!そんな嬉しい気持ちと同時に、プルシックが日常の暮らしの中にある岐阜市の方々が羨ましいなと思いました。」 プルシックでは、定番のなめらかプリン「TOKOROプリン」のほか、「ティラミスプリン」や「ピスタチオプリン」、マンゴーやメロンなど旬のフルーツのジュレが乗った「季節のジュレ&プリン」など、季節替わりでさまざまな種類のプリンを展開しています。 「『TOKOROプリン』とメロンのジュレが入った『季節のジュレ&プリン』の2つのプリンを、ぺろりと食べてしまいました!」  DATA <プルシック>  住所   岐阜市琴塚2-1-18  営業時間 10:00~18:00  定休日  月曜日、火曜日、水曜日  駐車場  あり(無料)  TEL   058-215-9393  URL   https://plesic.jp/   ル・モンド 最後は、甲斐さんが「岐阜市に数ある喫茶店の中でも、指折り好き。」と語る「ル・モンド」へ。 1975(昭和50)年創業の「ル・モンド」。開店時、岐阜市では珍しいコーヒー専門店として繁盛しました。まるで当時のまま時間が止まったかのような昭和の風情が漂う空間は、どこを切り取っても絵になる美しさ。 メニューはブレンドやストレートコーヒーに加え「キューバンコーヒー」や「ルシアンコーヒー」、「ジャマイカンコーヒー」など、30種類を超える世界各国のコーヒーが揃います。 中でも名物は、「アイリッシュコーヒー」。アイリッシュウイスキーとザラメが入ったグラスを火にかけ、コーヒーを注いでたっぷりのクリームを乗せた、大人のコーヒーです。 アイリッシュコーヒーを味わいながら、日々の忙しさを忘れてゆったりと過ごす、癒しのひととき。 「『ル・モンド』に身を置いている自分が心地いいというか、いつもの日常をちょっとドラマチックに彩ってくれるような場所だと思います。そういう場所が、岐阜市で過ごした2日間の中でたくさん見つかりました。これからも繰り返し通いたいですし、いろんな人を誘って来たいなって思います。」  DATA <ル・モンド>  住所   岐阜市殿町1-4  営業時間 12:00~18:00  定休日  第3木曜日  駐車場  なし  TEL   058-263-6036   *** こうして「Not? Special GIFU LIFE」が終了。商店街や建築、おやつ、老舗の喫茶店などさまざまなスポットを巡り体験した、岐阜市の“特別ではない”日常の中で、たくさんの“すき”に出会う2日間となりました。 最後に、甲斐さんに2日間の感想を語っていただきました。 今回、岐阜市の“特別ではない”日常を体験して感じたことや、岐阜市の印象を教えてください。 「私はこれまで、プライベートや取材の仕事で何度も岐阜市を訪れているのですが、それでもまだ初めてのお店や場所がたくさんあって、しかもこの2日間で新たに行きたい場所も増えて。来るたびに、好きな場所や行きたい場所が増えているなって思います。」 店主や地元の方々との会話を通して、岐阜市の人に対してどんな印象を抱きましたか? 「岐阜市に通うたびに感じているのですが、皆さん本当に優しくて、穏やかで。ちょっとおっとりしているなって思うところもあって、そういうところがすごく自分と合うんです。岐阜市に来ると、自分がすごく伸びやかでいられるなと感じるのですが、それは暮らしている皆さんがそうだから、そこに自分が馴染んでいるんだなと思います。」 実際に岐阜市に暮らすとしたら、どんな暮らしができそうですか? 「朝、喫茶店で朝食を食べて、ちょっと歩いて図書館に行って、お昼ご飯はあそこで食べて…という風に、自分が日々暮らすイメージがすごく湧いています。すでに“行きつけの店”みたいな気持ちになるほど、店主の皆さんもすごく素敵で。なんでもない日常の中で、そういったお店や場所に繰り返し通い、店主の方々に会いに行きたいなと思います。」 甲斐みのりさんが体験した「Not? Special GIFU LIFE」の2日目の様子は、こちらの動画をご覧ください! 「Not? Special GIFU LIFE」 1日目の様子はこちら

特集 「Not? Special GIFU LIFE」〜甲斐みのりさん、岐阜市でどんな“すき”を見つけましたか?〜 #01

特集 「Not? Special GIFU LIFE」〜甲斐みのりさん、岐阜市でどんな“すき”を見つけましたか?〜 #01

岐阜市にゆかりのある著名なゲストを招き、岐阜市の“特別ではない”日常を体験していただく企画「Not? Special GIFU LIFE(ノット?スペシャルぎふライフ)」。 第2弾のゲストは、文筆家の甲斐みのりさんです。 プライベートや仕事で何度も岐阜市を訪れ、2024年には岐阜市の複合文化施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」が発行する季刊紙「メディコス文化道」にてコラムを執筆するなど、岐阜市にゆかりの深い甲斐さんが、2日間にわたって市内を巡り、岐阜市の暮らしの魅力を掘り下げます。    <甲斐みのり> 1976年静岡県生まれ。旅、散歩、お菓子、地元パン、手土産、建築、雑貨や暮らしなどを主な題材に、書籍や雑誌、WEBなどに執筆。訪れた土地の魅力を見出して綴る愛しみのある文体で、全国に多くのファンを持つ。自身を変えるきっかけとなった“すき”を書き連ねた「すきノート」を紹介する『「すきノート」のつくりかた』ほか、著書多数。2024年に「メディコス文化道」VOL.13〜15にて「甲斐みのりが歩く 岐阜の文化地図」を執筆。 http://www.loule.net/   ラ・パティスリー りぼん 「Not? Special GIFU LIFE」の始まりは、1970(昭和45)年から50年以上続く洋菓子店「ラ・パティスリー りぼん」から。 ショーケースには、いちごのショートケーキやフルーツタルトといった色とりどりのケーキ、シュークリーム、可愛らしい手のひらサイズの「プティエクレア」などがずらり! イートインスペースが併設されていて、ケーキが付くモーニングセットやサンドイッチ、グラタンなどのランチも楽しめます。この日のお目当ては「のり巻きサンド」。ハムと玉子とツナマヨとレタスを、ふわふわのパンと海苔で巻いたユニークなメニューです。甲斐さんは友人からその存在を聞き、ずっと気になっていたのだそう。 「のりとパンが不思議とマッチしてクセになります!持ち帰りもできるので、手土産にも利用したくなりますね。」 「りぼん」という店名は、“人と人を結ぶお店にしたい”という思いを込めて、初代の山賀正次さんが名付けたそう。正次さんの奥様で、現在は息子の浩二さんと一緒にお店を営む敏子さんから、「主人は若い時、毎日毎日、“ケーキ屋をやりたい!”って言っていてね。それで、4.5坪の小さなお店から始めたんです。」という微笑ましい思い出話を聞かせていただき、愛おしい朝のひとときを過ごしました。  DATA <ラ・パティスリー りぼん>  住所   岐阜市川端町14  営業時間 8:30〜19:00  定休日  日曜日、祝日  駐車場  あり(無料)  TEL   058-265-3271  URL   https://www.cake-ribbon.jp/   みんなの森 ぎふメディアコスモス 次に訪れたのは、市立中央図書館や市民活動交流センター、展示ギャラリー、ホールなどから構成される岐阜市の複合文化施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス(通称:メディコス)」。世界的建築家の伊東豊雄氏が設計を手がけ、この建築を見るために市外からも多くの人が訪れます。 2階の図書館へ上がると、 “波打つ天井”と呼ばれる、岐阜市の山並みをイメージしてデザインされた木製の格子屋根と、天井から吊るされた大きな傘のような“グローブ”が視界に飛び込んできます。 グローブはそれぞれ、「レファレンスグローブ」、「文学のグローブ」、「ヤングアダルト(中高生)のグローブ」、「親子のグローブ」などジャンルが分かれていて、子どもから大人まで誰もが楽しく、自由に、本とともに過ごせる空間がつくられています。この日はあいにくの雨でしたが、むしろ図書館でゆったりと過ごすにはぴったり。甲斐さんは1階にある「本の蔵」にも足を伸ばします。 「本の蔵」は、利用が少なくなった古い本や貴重な本などが収蔵されている“書庫”。2階にはない古い資料や新聞も保管されていて、天井まで届く本棚一面をびっしり埋め尽くす蔵書に、甲斐さんは圧倒されながらもワクワクとした表情で本を手に取っていました。 甲斐さんはメディコスを“岐阜市に惚れ込むきっかけになった場所”だと語ります。 「初めてメディコスを訪れた時、“こんな図書館があるまちに住めたらなんて素敵なんだろう!”と思ったほど、素晴らしい場所。晴れた日はテラスから金華山を眺めたりして過ごしていましたが、今回は雨が降っていたので、“朝から一日中図書館の中で過ごしてみたい”と新しい視点でメディコスを見ることができました。雨の日も、寒い日も、どんな日でも自分の居場所がつくれる場所だと思います。」  DATA <みんなの森 ぎふメディアコスモス>  住所   岐阜市司町40-5  開館時間 9:00~21:00 ※市立中央図書館は9:00~20:00  休館日  毎月最終火曜日(祝日の場合は翌日、年末年始と重なる場合は前週の火曜日)、年末年始  駐車場  あり(30分/100円 ※館内利用者は入庫後2時間まで無料)  URL   https://g-mediacosmos.jp/   市役所大食堂 昼食は、メディコスの南向かいにある岐阜市役所2階の「市役所大食堂」へ。 2021年5月の岐阜市役所新庁舎の開庁に合わせてオープンした食堂で、岐阜の郷土料理から、和食・中華・洋食・麺類までオールラウンドに揃い、ランチタイムは地元の方や観光客など、多くの人で賑わいます。 その理由は、いわゆる“食堂”のレベルを超えた、本格的な料理が味わえるから。 実は、この食堂を運営しているのは国内外で飲食店を展開している地元企業「円相フードサービス」。そのため、岐阜や東京にも店舗がある南インドカレー専門店「エリックサウス」の本格的なカレーや、地域の食材を使った和食を提供する「円相カド」の定食を味わうことができるのです。 豊富なメニューから悩んだ末に、甲斐さんが選んだのは「三種のカレープレート」。 「本格的な辛さだけど、後を引く美味しさ。特にバターチキンカレーが理想の味で、とっても美味しい!しかも、市役所の食堂なのに、休日も夜まで営業しているのは嬉しいですよね。」  DATA <市役所大食堂>  住所   岐阜市司町40-1 岐阜市役所 2階  営業時間 11:00~20:00 ※ラストオーダー19:30  定休日  無休  駐車場  あり(岐阜市役所駐車場30分/100円 ※館内利用者は入庫後2時間まで無料)  TEL   058-216-3235  URL   https://www.tanuki-soba.com/   松田屋 続いては、岐阜市役所から15分ほど歩いたところにある和菓子屋「松田屋」へ。 1950(昭和25)年に創業し、今年で75年目。2024年4月にリニューアルオープンして、現在は2代目の松田たか子さんと、18歳から3代目を継いだ松田貴広さんがお店を営んでいます。 おはぎや草餅、豆大福、鬼まんじゅうなど、手づくりの和菓子が並ぶ中でも、看板メニューはお団子。甘辛く味付けされた「みたらしだんご」と、飛騨高山風の「しょうゆだんご」があり、店内のイートインスペースで焼きたてが味わえます。 「店内で食べるときは、通常より多くタレをつけて3度焼きしてもらえるのも嬉しいですね。こんなお店が近所にあったら、ふらっと立ち寄ってお団子1本いただきながらひと休みをして、また散歩に出かけるという日常が思い浮かびます。学生でも買いやすいお手頃な値段で、松田屋さんがこのまちにあり続け てくれるというのは、住んでいる人にとって宝物ですよね。」  DATA <松田屋>  住所   岐阜市多賀町19  営業時間 11:00~17:00  定休日  日曜日、祝日(5月の節句、お彼岸は営業)  駐車場  あり(無料)  TEL   058-262-5843  URL   https://www.instagram.com/matsudaya_gifu/ 山本佐太郎商店 次に訪れたのは、1876(明治9)年の創業から140年以上の歴史を誇る老舗油問屋の「山本佐太郎商店」。甲斐さんが岐阜市を訪れた際に、必ず足を運ぶというお気に入りのお店です。 店内では4代目の山本慎一郎さんと“まっちん”こと和菓子職人・町野仁英さんとのコラボレーションから誕生した「大地のおやつ」シリーズのお菓子や、レシピサイト「白ごはん.com」とのコラボ商品の「だしブレンド」やふりかけなどを販売しています。 特に原材料から製法まで、安心安全とおいしさにこだわり、“30年後も愛されるおやつ”というコンセプトのもと生まれた「大地のおやつ」シリーズは、今や全国に多くのファンを持つ看板商品。かりんとうやサブレ、ビスケット、あられ、五平餅など、さまざまな商品が展開されていて、甲斐さんもお気に入りのおやつをカゴいっぱいに詰めていきます。 店内の一角にある「あんたきば」は、まっちんさんの工房として設けられたスペースで、不定期でつくりたての和菓子を販売しています。この日は季節限定の「あんみつ」の販売日。もちろん甲斐さんも購入し、早速食べてみることに。 伊豆産の天草でつくった寒天、赤えんどう豆、特別栽培小豆を使った粒あん、白玉だんご、粗糖で炊いたあんずが入ったあんみつに、沖縄・波照間(はてるま)産の黒糖で作った特製の黒みつを少しずつかけて楽しみます。 「何もかけずに食べると豆の風味が感じられて良いですし、黒みつをかけても美味しい。しっかりとした歯応えの寒天やもっちりとした白玉など、さまざまな食感が混ざっていて、とっても美味しかったです!」  DATA <山本佐太郎商店>  住所   岐阜市松屋町17  営業時間 9:30~17:30  定休日  日曜日、祝日  駐車場  あり(無料)  TEL   058-262-0432  URL   https://www.instagram.com/yamamotosataroshoten/   はちみつ専門店 秋田屋   続いても美味しいものを求めて、2025年4月に岐阜公園内にオープンして以来、連日観光客や地元の人で賑わう「岐阜城楽市」へ。岐阜や東海の食が味わえる飲食店や土産店など11店舗が軒を連ねる中でも、甲斐さんが特に訪れたかったのが、1804(文化元)年創業の老舗養蜂問屋の初の実店舗として、岐阜城楽市にオープンした「はちみつ専門店 秋田屋」です。店内にはアカシア、れんげ、さくらなど、さまざまな花から集められた国産はちみつが並ぶほか、はちみつバター、はちみつを使ったスイーツなど、多種多様なオリジナル商品が並び、甲斐さんもじっくりと吟味しながら買い物を楽しみます。 「ここのはちみつバター『雪白』が大好物で、繰り返し岐阜市から取り寄せていたんです。待望の実店舗ができたと知り、訪れるのが楽しみでした!」 さらに、店舗限定商品の「はちみつソフトクリーム」を発見!早速、いただきました。 ワッフルを添えたソフトクリームに、季節替わりの3種類のはちみつから1種類を選び、たっぷりとかけた「はちみつソフトクリーム」に、ミツバチの巣を切り取った「コムハニー(巣蜜)」をトッピング!はちみつを上からかける瞬間には、思わず歓声が上がりました。 濃厚な甘さと爽やかな酸味が特徴の「ヒマワリはちみつ」は、さっぱりとしたソフトクリームと相性抜群。さらにコムハニーも加わって、はちみつの濃密な味わいを存分に堪能することができました。  DATA <岐阜城楽市>  住所   岐阜市大宮町1  営業時間・定休日 店舗によって異なります。  駐車場  岐阜公園駐車場(310円 ※1時間まで無料)  TEL   052-526-1871(名鉄プロパティマネジメント株式会社)  URL   https://meitetsu-pm.co.jp/gifujo-rakuichi/    DATA<はちみつ専門店 秋田屋>  住所   岐阜市大宮町1 岐阜城楽市内  営業時間 10:00〜17:00  定休日  水曜日  駐車場  岐阜公園駐車場(310円 ※1時間まで無料)  TEL   058-214-3383  URL   https://www.instagram.com/akitaya_gifu/ 餃子飯店 少し早めの夕食は、岐阜市加納にある町中華「餃子飯店」で。店内はカウンターの上や壁に手書きのメニューがずらり。メニューの横に可愛いイラストも添えられていて、ほっこりした気持ちになります。 名物のギョーザをはじめ、炒飯、エビ料理、丼、麺、焼きそばなど、幅広いラインナップの中から、甲斐さんは人気の「ミックスギョーザ」や「麻婆豆腐」を選びました。 「焼ギョーザには、白菜とキャベツが両方入ってる!これって珍しいですよね?」 「キャベツだけだとパサつくので、白菜で柔らかさをプラスしているんです。」 「エビギョーザは、餡から、皮まですべて美味しい!これはエビ好きにはたまらないですね。えびの尻尾が飛び出しているのは、ご主人が考えたんですか?」 「エビが大きくて、意図せずはみ出ちゃったんです。偶然だけれど、それが良かったのかな。塩と片栗粉で丁寧に下処理をしていたり、結構手間をかけているんですよ。」 カウンター越しに弾む、店主の赤尾嘉昭さんとの会話を通して、一つ一つの料理にこだわりや愛情がたっぷり詰まっていることが伝わって、甲斐さんもにっこりしながら美味しい料理をいただいていました。 「メニューを見ていたら、今回頼んだもの以外にも、あれも食べたい、これも食べたいと食いしん坊心が働いてしまいました。次はもっといろんなメニューが食べられるように友人を誘ったりして、誰かと一緒に岐阜市を巡るイメージも湧いてきました。」  DATA <餃子飯店>  住所   岐阜市加納南広江町60  営業時間 11:30~13:50、17:00~20:00  定休日  月曜日、火曜日(祝日の場合は翌日休み)、臨時休業あり  駐車場  あり(無料)  TEL   058-271-3825 ぎふ金華山ロープウェー・岐阜城 餃子飯店を後にして、訪れたのは岐阜公園。期間限定で開催されている「岐阜城パノラマ夜景」でライトアップされた岐阜城を目指して、「ぎふ金華山ロープウェー」に乗り、金華山の山頂へ向かいます。 360°ガラス張りのゴンドラに乗り、山頂駅まで約4分間の空中散歩を楽しみます。ゴンドラからは金華山の自然林、長良川、岐阜市のまち並みや濃尾平野が一望でき、四季折々の景色を楽しめるのが魅力です。 山頂駅から「岐阜城」の天守閣までは、徒歩約8分の道のりです。 織田信長が天下統一の拠点とした岐阜城。信長がこの地方一帯を平定した際に「岐阜」という地名を名付けたことはよく知られています。そんな歴史に思いを馳せながら階段を登っていくと、霧の中にぼんやりと岐阜城が浮かび上がってきました。 岐阜城は4階建て。各階では岐阜城や信長にまつわる展示が行われ、信長が行ったまちづくりや岐阜城の歴史について学べます。そして、最上階の展望デッキでは、かつて信長が眺めた城下の景色を一望することができます。 「かなり霧がかかっていましたが、それがかえって幻想的で。ゴンドラで霧の中に入っていく感じが、本当に織田信長が過ごしていた時代にタイムスリップして潜り込んでいくような感じがして、とてもロマンチックな体験でした!」  DATA <ぎふ金華山ロープウェー>  住所   岐阜市千畳敷下257  営業時間 9:00~17:00 ※時期によって営業時間が変動します。詳しい営業時間はこちらをご覧ください。  定休日  無休 ※2026年2月2日 (月)~2月5日 (木)は施設点検整備のため休業。  駐車場  岐阜公園堤外駐車場(310円 ※1時間まで無料)  URL   https://www.kinkazan.co.jp/    DATA<岐阜城>  住所   岐阜市天主閣18  開館時間 3月16日~10月16日は9:30~17:30、10月17日~3月15日は9:30~16:30       ※受付は閉館の15分前まで。 ※期間限定で夜間営業を実施しています。 ※元旦のみ6:30〜        ※令和8年5月中旬から 令和9年10月末(予定)まで改修工事のため休館します。  休館日  無休  入場料  大人(16歳以上)200円、小人(4歳以上16歳未満)100円  駐車場  岐阜公園駐車場(310円 ※1時間まで無料)  TEL   058-263-4853  URL   https://www.city.gifu.lg.jp/kankoubunka/kankou/1013051/1005097/1005098.html 貿易風ミグ 金華山からの夜景を楽しんだ後、1日目の締めくくりとして訪れたのは、茶色いレンガ造りの建物が印象的な「貿易風ミグ」。1951(昭和26)年に創業された「Bar貿易風」を現マスターの湯沢久雄さんが2014(平成26)年に引き継いで営業しています。 扉を開くと、上品なベロアの赤い椅子に、ヴィンテージの家具など、まるでイギリスのパブのような空間が広がっています。 カウンターの中からマスターが優しく声をかけてくれるので、初めての方や一人でも安心です。女性のお客さんが多く、ボトルキープされているうちの半分以上が女性なんだそう。 貿易風ミグでは、通常、酒屋さんなどでは買えない限定ウイスキーを中心に扱っています。甲斐さんもマスターおすすめのスコットランドのアイラ島で造られている「ARDBEG(アードベッグ)」をいただきました。 「飲みやすくて、好きな味です!レトロな空間でお酒を楽しむ、このバーの雰囲気が味わいたくて訪れる人も多そうですね。」  DATA <貿易風ミグ>  住所    岐阜市弥生町24-3  営業時間  18:00~翌1:00  定休日   日曜日(翌日が祝日の場合は営業、翌月曜日休み)  駐車場   なし  チャージ料  600円(税抜)  TEL    058-262-1808   ***   こうして、甲斐みのりさんが岐阜市の暮らしの魅力を体験する「Not? Special GIFU LIFE 」の1日目が終了。甲斐さんにとって思い出深い場所から初めてのお店まで、さまざまなスポットを巡り、岐阜市の“特別ではない”日常を体験していただくことができました。2日目の様子は、次回の記事でご紹介します。どうぞお楽しみに! 甲斐みのりさんが体験した「Not? Special GIFU LIFE」の1日目の様子は、こちらの動画をご覧ください! 「Not? Special GIFU LIFE」 2日目の様子はこちら

特集 岐阜市暮らしの編集部コラム Vol.6 「子どもと楽しむ、学びも自然もある暮らし」

特集 岐阜市暮らしの編集部コラム Vol.6 「子どもと楽しむ、学びも自然もある暮らし」

岐阜市にゆかりのある市民ライターのみなさんが、岐阜市でのお気に入りの過ごし方や、大好きな場所、魅力に感じていることなどを綴るコラムです。 今回は岐阜市で生まれ育った奥村裕美さんのコラムをご紹介します。 《PROFILE》 奥村 裕美 HIROMI Okumura 岐阜市在住。NPO法人で編集やライターとして地域の魅力を繋ぎ、発信する仕事を行う傍ら、「リッショ編集室(エディット)」を立ち上げ、フリーで取材記事の執筆、SNSやWEB発信のディレクション、講師、デザインやWEB作成なども行う。二女の母。 子どもと一緒に通う、メディコス 祖父母の代から岐阜市に住んでいて、私もここで育ってきました。現在はディレクター、編集者、ライターとして仕事をしています。家では中学生と小学生の2人の娘の母として、日々の子育ても楽しんでいます。 子どもたちが大好きな場所のひとつが、市立中央図書館をはじめとした複合文化施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」(通称メディコス)です。 長女はイラストを描くのが趣味。図書館でイラストの描き方の本をたくさん借りて、オリジナルキャラクターや、好きなVTuberのイラストを描いています。次女は学校の図書館では出会えない本を探すのが楽しいようです。 メディコスの魅力は本だけではありません。さまざまなイベントやワークショップも開催されています。この日は、岐阜市が主催する事業として、2か月に1回、岐阜市の伝統工芸品「岐阜和傘」が無料で借りられる体験イベントが行われていました。 和傘は、洋傘と比べて開き方や置き方にちょっとした心遣いが必要です。物を大切に使う昔ながらの所作も学びました。 和傘を通して光が差し込む瞬間の美しさは、大人も子どもも心が浮き立つ体験です。娘たちや私も和傘を持って広場で写真を撮り、和傘の美しさに触れることができました。 ほかにも長女は友達と図書館の自習室を使ったり、次女はメディコス内の部屋を借りて新体操の自主練をしたり、私は仕事の資料を探したりと、家族それぞれの学びの場にもなっています。 家族で立ち寄る「市役所大食堂」 メディコスの向かいにある岐阜市役所。その2階にある「市役所大食堂」も、我が家にとって欠かせないスポットです。お昼ごはんや娘たちの習い事帰りの夜ごはん、テイクアウトまで、幅広く利用しています。子どもから大人まで選べるメニューがあり、岐阜ならではの料理や期間限定メニューも楽しめるのが嬉しいところ。 この日は、長女が「唐揚げ定食 塩レモン」、次女が「とり天冷やしたぬきうどん」、私が期間限定の「チキンビリヤニ」をいただきました。 どれも本格的な味で大満足です。夜8時まで営業しているので、子育て世帯には本当にありがたい存在です。 長良川の河川敷で育つ思い出 先日は次女が自転車に乗れるように練習するため、家族で長良川の河川敷へ。広々とした河川敷は練習にぴったりの場所です。名古屋市出身の夫は、「名古屋では、川と言ってもこんなに広い川原があるイメージじゃなかった。」と、岐阜に来た当初に驚いたそうです。 次女が自転車に乗れるようになったら、娘たちと一緒に自転車でメディコスへ行くのが楽しみです。長良川は、私たちの暮らしに自然と寄り添っています。 犬を飼っていた頃は、川原をよく散歩しました。川原から見る広い空に沈む夕日や、夕暮れの河川敷に待宵草の黄色い花がぽつりぽつりと咲き始める景色は、岐阜市で暮らす幸せをしみじみと感じさせてくれます。 毎年、川原から打ち上がる夏の花火は、私の父母も一緒に三世代で眺めています。 学びと川のあるまち、岐阜市で子どもと暮らす ▲金華山の山頂から眺める岐阜市のまち 岐阜市は、子育て世帯がとても住みやすいまちだと感じています。 子どものつながりで出会う、市外から来た保護者と話をしていても、当たり前だと思っていた岐阜市での暮らしが、実は誇らしいものだったと気づかされます。 イベントも多く、メディコスのように学びを支えてくれる施設があり、同時に長良川や金華山といった自然もすぐそばにあります。子どもと出かけると、「このまちで暮らせてよかった。」と思う瞬間にたびたび出会えるのです。 DATA <みんなの森 ぎふメディアコスモス> 住所   岐阜市司町40-5 開館時間 9:00〜21:00(中央図書館は20:00まで) 休館日  毎月最終火曜、年末年始 TEL   058-265-4101 https://g-mediacosmos.jp/ DATA <市役所大食堂> 住所   岐阜市司町40-1 岐阜市役所2階 営業時間 11:00〜20:00(LO19:30) 定休日  無休 TEL   058-216-3235 https://enso.ne.jp/shiyakusho/

特集 「Not? Special GIFU LIFE」〜ふかわりょうさん、岐阜市の“特別ではない”暮らしってどうですか?〜 #02

特集 「Not? Special GIFU LIFE」〜ふかわりょうさん、岐阜市の“特別ではない”暮らしってどうですか?〜 #02

岐阜市にゆかりのある著名なゲストを招き、岐阜市の“特別ではない”日常を体験していただく企画「Not? Special GIFU LIFE(ノット?スペシャルぎふライフ)」。 第1弾のゲストは、タレント、エッセイスト、ミュージシャンとしてマルチに活躍するふかわりょうさんです。 著書『スマホを置いて旅したら』で岐阜市を訪れるなど、岐阜市にゆかりの深いふかわさんが、2日間にわたって市内を巡り、岐阜市の暮らしの魅力を掘り下げます。   「Not? Special GIFU LIFE」1日目の様子はこちら   <ふかわりょう> 1974年神奈川県生まれ。大学在学中に芸人としてデビューし、テレビ出演やラジオDJ、音楽活動、執筆など多岐にわたって活躍。2023年4月に出版した著書『スマホを置いて旅したら』で「図書館員が選んだ!ぎふ本大賞2025」部門①大賞を受賞。「第1回ぎふ長良川花火大会」の中継番組ではMCを務めるなど、岐阜市との繋がりも深い。   長良川プロムナード  2日目の始まりは、「長良川プロムナード」から。 川沿いの道が1.3kmにわたる遊歩道として整備されていて、対岸には金華山と、その山頂にそびえる岐阜城を望むことができます。 「昨晩の鵜飼の賑わいが嘘のように静かな時間が流れていました。水位の増減や川の色で、日によって表情を変えるんですね。岐阜市では、いろんな場所から長良川の雄大な流れを眺めることができて、これが日常にあったら、無意識に川に癒されるというか。長良川の存在は大きいと思いますね。」  DATA <長良川プロムナード>  住所 長良川右岸の遊歩道   岐阜城楽市 長良川プロムナードから、長良橋を渡って徒歩約15分。2025年4月に岐阜公園内にオープンした「岐阜城楽市」にやって来ました。 『「岐阜」を嗜み、OMOTENASHI(おもてなし)を堪能する』というコンセプトのもと、かつて織田信長が行った楽市楽座を現代風に再現した「岐阜城楽市」。岐阜や東海の食が味わえる飲食店や土産店など11店舗が軒を連ね、観光客はもちろん、地元の人も買い物や休日のお出かけに訪れる場所になっています。 「家紋や武士の絵柄が描かれた“武者のぼり”が風に揺られる様子が高揚感を醸し出していました。かつて信長がつくった楽市にタイムスリップしたかのような気分に浸りながら、ソフトクリームを味わうのもいいですね。」  DATA <岐阜城楽市>  住所       岐阜市大宮町1  営業時間・定休日  店舗によって異なります  駐車場      岐阜公園駐車場(310円 ※1時間まで無料)  TEL       052-526-1871(名鉄プロパティマネジメント株式会社)  URL       https://meitetsu-pm.co.jp/gifujo-rakuichi/   岐阜大仏(正法寺) 岐阜城楽市を後にして、次に訪れたのは「正法寺(しょうぼうじ)」。目的は、日本三大仏の一つともいわれる岐阜大仏です。 2代にわたる和尚の托鉢(たくはつ)と地域の支援によって、38年の歳月をかけて1832(天保3)年に建立された、高さ13.7メートルの立派な大仏。ふかわさんも、手を合わせて参拝します。 「圧倒的な存在感で空気を支配していますね。2メートルもの耳と、優しい目。その表情はどこか柔らかで思わず力が抜けるようです。1945(昭和20)年の岐阜空襲の被害にも遭わなかった岐阜大仏。たくさんの人たちに知ってほしいです。」  DATA <岐阜大仏(正法寺)>  住所   岐阜市大仏町8  拝観時間 9:00〜17:00  駐車場  あり(無料)  TEL   058-264-2760  URL   https://www.gifu-daibutsu.com/   CASA stella 続いては、織田信長の時代から川湊として栄え、多くの商店が集まる“川原町エリア”を散策。 今でも格子戸のある町家や蔵が多く残り、古い建物を活用した新しいお店もオープンしています。 「CASA stella(カーサ・ステラ)」も、その一つ。築100年を超える元和紙原料問屋「松井邸」をリノベーションし、2025年3月に川原町にオープンした文化観光施設です。 1階には「和傘CASA」「ORGANキモノ」「冷したぬき天国 川原町店」、2階には「OZEKI 川原町gallery」「AKARI gallery」が入居しています。 「和傘CASA」は、岐阜市の伝統工芸品である岐阜和傘の全国唯一の専門店。およそ60本もの和傘がずらりと並びます。ふかわさんも、店長の河口郁美さんから説明を受けながら和傘を広げ、細部にまで宿る手仕事の美しさにじっくりと見入っていました。 「和傘は雨や日差しを防ぐ道具でもありますが、丸いキャンバスに絵が描かれた芸術作品のようでもあります。和傘の定義は骨組みが竹であることだと教えてもらいましたが、打ち上げ花火のような鮮やかさがありながら涼しげなのは、素材が和紙と竹だからでしょうか。」 2階では、岐阜提灯と彫刻家イサム・ノグチが出会って生まれた照明「AKARI」の美しさも存分に堪能しました。  DATA <CASA stella>  住所   岐阜市玉井町6  駐車場  あり(無料)  <和傘CASA>  営業時間 11:00〜18:00  定休日  水曜日、木曜日  TEL   090-8335-9759  URL   https://wagasa.shop/  <OZEKI 川原町gallery> / <AKARI gallery>  営業時間 11:00〜18:00  定休日  水曜日、木曜日 冷したぬき天国 川原町店 ちょうどお昼時になったので、CASA stellaの1階にある「冷したぬき天国 川原町店」へ。 岐阜市役所近くに本店を構える人気の冷やしたぬき専門店の2号店で、2025年春のオープン以来、観光客やサラリーマン、地元の方など平日でも多くの人で賑わう人気店です。 「岐阜のソウルフードである“冷やしたぬき”を日本中、そして世界に広めたい!」と、「冷したぬき天国」をオープンした店主・堀川雅規さんの熱い想いを聞いて、この店の冷やしたぬきへの期待を高めるふかわさん。 お目当ての「冷したぬき蕎麦」は、そばが見えないくらいたっぷりの天かすに、ネギ、お揚げ、さらに煎りゴマと昆布の粉末が乗り、圧倒的な迫力と美しさです。 「まず、お皿までキンキンに冷えていたことに驚きました。岐阜市の皆さんは冬でもこの冷たさで召し上がるんですね。冷やしたぬき愛好家の私も、“参りました”と頭が下がります。コシの強いそばで歯応えがありました。」 老舗と新店の冷やしたぬきを食べ比べ、岐阜の“冷やしたぬき文化”の多様さと奥深さに触れた体験でした。 「それにしても、この器の中の彩りが、芸術作品に見えてきました。冷やしたぬきそばを描いた和傘があったら面白そうです。」  DATA <冷したぬき天国 川原町店>  住所    岐阜市玉井町6  営業時間  平日11:00〜17:00、土・日・祝日11:00〜14:30、17:00〜20:00  定休日   木曜日  駐車場   なし  TEL    070-6533-9233  Inatagram https://www.instagram.com/hiyaten_kawaramachi/   鵜匠の家 すぎ山 再び長良川プロムナードに戻り、訪れたのは「鵜匠の家 すぎ山」。天然鮎をはじめとした四季折々の料理と温泉が自慢の老舗旅館です。観光客が宿泊するのはもちろん、日帰り温泉を楽しむ地元の人も多いのだそう。 屋上露天風呂からは、長良川や金華山の景色が一望できます。ふかわさんもその絶景に感激。露天風呂に浸かりながら、ゆったりと雄大な眺めを堪能していました。 「なんて眺めのいい露天風呂!昼間も最高ですが、夜はまた素敵な光景に出会えそうです。」  DATA <鵜匠の家 すぎ山(日帰り温泉)>  住所   岐阜市長良73-1  営業時間 11:30~14:30 ※受付14:00まで  定休日  不定休 ※事前にお問い合わせください  入浴料金 大人1,000円(中学生以上) / 小人700円  駐車場  あり(無料)  TEL   058-231-0161  URL   https://www.gifu-sugiyama.com/   おおきな木 続いて訪れたのは、伊奈波神社の参道沿いにある岐阜市で唯一の児童書専門店「おおきな木」。 店主の杉山三四郎さんは、いろんな絵本を音楽で楽しむ「さんしろう絵本ライブ」や、絵本や童話を毎月お届けする“本の定期便”「ブッククラブ」、岐阜市周辺の自然の中で遊ぶ「野外塾」、親子のふれあいやことばあそびを楽しむ「ことば塾」など、いわゆる“絵本屋さん”の枠に収まらないさまざまな活動に取り組んでいます。 店内には新刊から半世紀以上愛されてきたロングセラーまで、国内外の作家の絵本や童話などが約1万冊も並びます。 「店名の『おおきな木』は、シェル・シルヴァスタインの名作絵本「おおきな木」からきているんですね。僕が子どもの頃から読んでいた本も、棚に並んでいました。店主の声がやけにいい声だと思ったら、ギターを担いで歌手活動もされていると知り、子どもたちの笑顔が浮かびました。」  DATA <おおきな木>  住所   岐阜市伊奈波通3-11  営業時間 10:00〜18:00  定休日  火曜日、水曜日  駐車場  あり(無料)  TEL   058-264-2393  URL   https://www.ehon-ookinaki.com/   バナナレコード 岐阜店 最後に訪れたのは、名鉄岐阜駅前にある「バナナレコード 岐阜店」。名古屋・大阪・神戸・京都・岐阜・岡崎に9店舗を構える中古レコード専門店で、岐阜店は1991(平成3)年にオープン。現在は店長の兒玉祐介さんが店舗の運営を担当しています。 CDやレコードがびっしりと並ぶ黄色い棚と、窓に描かれた大きなバナナのイラストが目を引きます。 1日目の「DISCOVERY」に続いて「バナナレコード」でも、多岐にわたるジャンルの豊富な品揃えの中から、気になるレコードを試聴して楽しみます。 「店によって品揃えが違うからこそ、いろんな店に足を運ぶのが楽しいですよね。ここにはクラブ系のアナログレコードが多く揃っていて、ついつい2枚買ってしまいました。」  DATA <バナナレコード 岐阜店>  住所   岐阜市住ノ江町1-14-2 小森ビル2階  営業時間 11:00〜20:00  定休日  なし  駐車場  なし  TEL   058-263-6638  URL   https://bananarecord.jp/shop_information/shop_gifu   *** 2日目は長良川周辺のエリアを中心に、岐阜市の伝統と新しい文化を感じるスポットを巡り、岐阜市の“特別ではない”日常を体験する「Not? Special GIFU LIFE」が終了しました。 最後に、ふかわさんに2日間の感想を語っていただきました。 今回、岐阜市の“特別ではない”日常を体験して感じたことや、岐阜市の印象を教えてください。 「以前、『スマホを置いて旅したら』という本の執筆で美濃市や郡上市、そして岐阜市を訪れましたが、今回もその時のような充足感があって、自分自身の心を充電するような気分になりました。居心地が良く、いい湯加減の温泉に浸かっているような気持ちでしたね。それから、訪れた場所で目にするもの、耳に入ってくるものが普段の生活とは違う形ですっと心に染み込んでいき、刺激がありましたし、新しい出会いもありました。」 実際に岐阜市に暮らすとしたら、どんな暮らしができそうですか? 「純粋に、良い友達ができそうだなと思います。例えば、本屋さんとかレコード屋さんで人や作品との出会いがあり、そこから会話が生まれて知り合いができたり。特にお店での店主との会話って、すごくいいなと思うんですよね。あの感覚は、また味わいたいなと思います。」 ふかわりょうさんが体験した「Not? Special GIFU LIFE」の2日目の様子は、こちらの動画をご覧ください! 「Not? Special GIFU LIFE」1日目の様子はこちら

特集 「Not? Special GIFU LIFE」〜ふかわりょうさん、岐阜市の“特別ではない”暮らしってどうですか?〜 #01

特集 「Not? Special GIFU LIFE」〜ふかわりょうさん、岐阜市の“特別ではない”暮らしってどうですか?〜 #01

岐阜市にゆかりのある著名なゲストを招き、岐阜市の“特別ではない”日常を体験していただく企画「Not? Special GIFU LIFE(ノット?スペシャルぎふライフ)」。 第1弾のゲストは、タレント、エッセイスト、ミュージシャンとしてマルチに活躍するふかわりょうさんです。 著書『スマホを置いて旅したら』で岐阜市を訪れるなど、岐阜市にゆかりの深いふかわさんが、2日間にわたって市内を巡り、岐阜市の暮らしの魅力を掘り下げます。   <ふかわりょう> 1974年神奈川県生まれ。大学在学中に芸人としてデビューし、テレビ出演やラジオDJ、音楽活動、執筆など多岐にわたって活躍。2023年4月に出版した著書『スマホを置いて旅したら』で「図書館員が選んだ!ぎふ本大賞2025」部門①大賞を受賞。「第1回ぎふ長良川花火大会」の中継番組ではMCを務めるなど、岐阜市との繋がりも深い。   New Bora Bora まずは、岐阜市の暮らしに根付く“モーニング文化”を体験するため、元宮町の喫茶店「New Bora Bora」へ。木々や花に囲まれた入り口を抜け、ドアを開けるとフレンドリーな店員さんや常連さんが出迎えてくれました。 ウインナーコーヒー 630円(税込)+モーニングサービス(洋) コーヒーを注文すると、トーストやサラダ、ヨーグルトなど、ボリュームたっぷりのモーニングセットが付いてくるのが、岐阜市の“モーニング文化”の醍醐味です。 New Bora Boraのモーニングは「和」「洋」から選べて、ふかわさんは「洋」をセレクト。厚切りのトースト2枚、サラダに加え、ババロアにお赤飯と、他店にはないユニークな献立にはふかわさんもびっくり。お米や野菜、フルーツは地元のものを使用し、彩り豊かにつくられたモーニングは長年地元の方々に愛され続けています。 「お赤飯とトーストの組み合わせが新鮮!お皿いっぱいに詰まったモーニングプレートは、さながら城廓のようでした。大きな窓から覗く木々の緑が目に優しく、従業員さんも朗らかで。地域の人たちが集う場所として愛されているのを感じ、とても居心地が良かったですね。これは常連になってしまいます。」  DATA <New Bora Bora>  住所   岐阜市元宮町2-14  営業時間 7:30〜17:00 ※土曜日は16:00まで  定休日  日曜日、祝日  駐車場  あり(無料)  TEL   058-252-6611   ロイヤル劇場続いて、アーケードの下にレトロな商店や建物が立ち並ぶ、柳ケ瀬商店街へ。 目的地は、名画座「ロイヤル劇場」。かつて約10軒の映画館が立ち並んだ柳ケ瀬商店街に今も残る映画館の一つで、1977(昭和52)年のオープン以来、現在も昭和フィルム映画の上映を続けています。 往年のスターたちが描かれた入り口の看板、館内で昔懐かしい駄菓子やおやつを販売する売店など、随所に昭和の香りが漂います。ふかわさんもチケットを購入し、劇場内へ。 ロイヤル劇場では名作フィルム映画の上映が1日数回行われ、作品は1週間に一度のペースで替わります。ネットでは公開されていない作品や、普段は観られないジャンルの作品に出会えることも、この映画館ならではの体験です。 商店街へふらりと散歩に出かけ、ロイヤル劇場で思いがけず好きな作品と出会う。そんな岐阜市の日常のワンシーンを体験したひとときでした。 「初めて訪れるのに、すべてが懐かしく、令和から昭和にタイムスリップしたかのようでした。銭湯のように、ただぼーっと座って昭和に浸かるのもいいかもしれません。」  DATA <ロイヤル劇場>  住所   岐阜市日ノ出町1-20 ロイヤル劇場ビル4階  定休日  無休  駐車場  なし  入場料金 600円  TEL   058-264-7151(CINEX[シネックス])  URL   http://www.tochiko.co.jp/royal.html   更科 柳ケ瀬商店街を散策し、次に向かったのは「更科」。ふかわさんたっての希望で “冷やしたぬき”を食べに訪れました。 実は20代の頃から冷やしたぬきそばが好きで、東京でよく食べていたというふかわさん。冷やしたぬきが岐阜のソウルフードだと知り、一度味わってみたかったのだそう。 「東京では、冷やし中華のような浅めのお皿に天かす、きゅうり、ナルト、わかめなどが乗っていたりしますが、岐阜の“冷やしたぬき”は深めの丼に盛り付けられて、具材は実にシンプル。しかも、驚くことに“きつね”がいるじゃないですか!」 と、そばに天かす(たぬき)とお揚げ(きつね)の両方が乗った岐阜ならではのスタイルに驚いた様子。 活気あふれる店内に、素早い提供、そして一切の無駄がないシンプルなそば。岐阜の“冷やしたぬき文化”を代表する老舗の味を、存分に堪能したようです。  DATA <更科>  住所   岐阜市京町3-4  営業時間 10:30~18:00 ※ラストオーダー17:45  定休日  木曜日、1月1日〜3日  駐車場  あり(無料)  TEL   058-265-9594  URL   https://www.tanuki-soba.com/   岐阜市役所 市民交流スペース ミンナト 次に訪れたのは、更科から歩いて5分ほどの場所にある、岐阜市役所1階の市民交流スペース「ミンナト」。学生が放課後の時間を過ごしたり、市役所を訪れた方が休憩をしたりする憩いの場として市民に親しまれています。 そして、ここには“ストリートピアノ”としてグランドピアノが設置され、誰でも自由に演奏することができるのです。 幼少期からピアノを習っていたふかわさんもピアノを演奏!優しく穏やかな音色で、その場にいた利用者のひとときを癒してくれました。 「音の噴水に人々が集う風景は良いですね。岐阜市役所の向かいにある『みんなの森 ぎふメディアコスモス』も含め、ここは人々の交流を守ってくれる場所だと感じます。」  DATA <岐阜市役所 市民交流スペース ミンナト>  住所       岐阜市司町40-1 岐阜市役所1階  スペース開放時間  8:00~20:00  閉庁日      年末年始(12月29日〜1月3日)            ※スペース貸出利用等により、ピアノの利用ができない日時があります。             詳細については岐阜市役所HPをご覧ください。  駐車場      あり(岐阜市役所駐車場30分/100円 ※館内利用者は入庫後2時間まで無料)  TEL       058-265-3888(岐阜市役所管財課)  URL       https://www.city.gifu.lg.jp/info/chousha/1009515/1028946.html DISCOVERY 続いては、中古レコード専門店の「DISCOVERY」を訪れました。 10坪ほどの店内には、日本や海外のロック、ポップス、ジャズ、ソウル、ワールド、サントラ、ヒップホップなど、お客さんからの買取品を中心としたレコードがずらり。CDやDVD、古本も販売しています。 「ROCKETMAN」という名義で音楽活動も行うふかわさん。昔からレコードショップやレンタルビデオ屋に通い、店員さんと音楽談義をしたり、おすすめの映画を教えてもらったりと、そこでしかない出会いを楽しんできたのだそう。 20代の頃から25年以上にわたりレコードを収集し、豊富な知識と経験を持つ店主の吉住さんとも、おすすめのレコードを聞いたり、好きなレコードの話で盛り上がったりと、あっという間に打ち解けていました。 「吉住さんと、店内に飾ってある映画のポスターから監督の話に花が咲いて。レコード探しは、『DISCOVERY』という店名にもある通り“発見”ですね。棚に並ぶ無数のアナログ盤をめくりながら、試聴したり、あえて試聴せずに“ジャケット買い”するのも楽しいです。」  DATA <DISCOVERY>  住所   岐阜市玉宮町1-3 森麻ビル3階  営業時間 12:00~19:00  定休日  火曜日、水曜日  駐車場  なし  TEL   058-262-0808  URL   https://discovery-gifu.net/   菊川酒蔵 東店 日も暮れてきた頃、お腹を空かせてたどり着いたのは、柳ケ瀬商店街にある「菊川酒蔵 東店」。定番から変わり種まで豊富なメニューが揃い、地元で愛されている居酒屋です。 「むかしのコロッケ」「京あげ焼」「からし豆腐」と、広い店内の壁にびっしりと並ぶ手書きのメニューが、昭和の居酒屋の味わい深い雰囲気を演出しています。ふかわさんは、看板メニューの「ガリバーサラダ」に、甘辛く味をつけたこんにゃくに鰹節をまぶし揚げた“こんから”こと「こんにゃくの唐揚げ」、岐阜名物の「明方ハム」、「からし豆腐」、「鶏ちゃん」を注文。 キャベツの千切りに、にんじんやホワイトアスパラ、大根のスティック、トマト、ハム、シーチキン、さらには大きなスイカまで乗った、特大サイズの「ガリバーサラダ」が目の前に運ばれ、その迫力に思わず苦笑を漏らすふかわさん。 「すごい迫力!これ、何人前ですか?(笑)」 カウンター越しに店長の岩木正弘さんと会話を交わしながら、岐阜の日本酒や焼酎も楽しみます。 「大将のノリも良くて、一人でも居心地のいい店でした。」  DATA <菊川酒蔵 東店>  住所   岐阜市柳ケ瀬通2-17 江戸ッ子ビル2階  営業時間 17:00~23:00 ※日曜日のみ16:00〜22:00  定休日  月曜日  駐車場  なし  TEL   058-265-5150   ぎふ長良川の鵜飼 1日目の終わりは、長良川プロムナードへ。5月11日から10月15日の期間、長良川で中秋の名月と増水時を除き、毎日行われている「ぎふ長良川の鵜飼」を川辺から見物します。 19時45分ごろ、鵜飼の始まりを知らせる花火が上がり、篝火(かがりび)を灯した鵜舟がゆっくりと川上から現れます。まずは、川の状況や出船状況によって、観覧船が1隻の鵜飼舟と並行して川を下る「狩り下り」、左岸に停泊している観覧船に鵜舟が近づき、川を下りながら鵜飼をする「付け見せ」のどちらかが観られます。 この日は「付け見せ」が披露されました。鵜舟が近づいてくるのを見て観覧船のお客さんから歓声が上がる様子を、対岸から眺めるふかわさん。暑い1日でしたが、夜は心地よい川風が吹き、穏やかな時間が流れます。 そしてクライマックスは、6隻の鵜舟が横一列に並び、鮎を浅瀬に追いやって捕らえる「総がらみ」。水面に篝火が映り、ぼんやりと鵜舟のシルエットが闇夜に浮かび上がる景色はなんとも幻想的です。 「こんなにも幻想的なのは、周りに光がほとんどないからでしょうね。他の川でやっても同じようにはならないと思います。長良川の鵜飼のこの景色は、ずっと大切にしてほしいなと思いますね。」  DATA <ぎふ長良川の鵜飼>  住所   岐阜市湊町1-2(岐阜市鵜飼観覧船事務所)  開催期間 5月11日~10月15日 ※中秋の名月及び増水等で鵜飼ができない日は中止  鵜飼時間 19:45頃開始 ※イベントなどにより変動あり  駐車場  岐阜公園駐車場(1回利用310円)または鏡岩緑地駐車場(無料)  TEL   058-262-0104  URL   https://www.ukai-gifucity.jp/   *** こうして、岐阜市の暮らしの魅力を体験する「Not? Special GIFU LIFE 」の1日目が終了。食文化からカルチャー、長良川の景色まで、岐阜市の“特別ではない”日常のさまざまなシーンをふかわさんに体験していただくことができました。2日目の様子は、次回の記事でご紹介します。どうぞお楽しみに! ふかわりょうさんが体験した「Not? Special GIFU LIFE」の1日目の様子は、こちらの動画をご覧ください!   「Not? Special GIFU LIFE」 2日目の様子はこちら

特集 岐阜市暮らしの編集部コラム Vol.5 「百々ヶ峰に出会って生まれた、私らしい暮らし」

特集 岐阜市暮らしの編集部コラム Vol.5 「百々ヶ峰に出会って生まれた、私らしい暮らし」

岐阜市にゆかりのある市民ライターのみなさんが、岐阜市でのお気に入りの過ごし方や、大好きな場所、魅力に感じていることなどを綴るコラムです。 今回は岐阜市でドーナツカフェ「yamasong」を営む池田亮子さんのコラムをご紹介します。 《PROFILE》 池田 亮子 RYOKO Ikeda 岐阜県岐南町出身。20歳から20年ほど東京で暮らし、家族で鳥取県に移住。4年間、自然の中で子育てや狩猟、農業、カフェ運営をした後、岐阜にUターン移住し、デザイン業、ショップ立ち上げなどに関わる。2025年、百々ヶ峰の南登山口近くに「yamasong」をオープン。 百々ヶ峰という魅力2017年、山の麓にある小さな平屋に住みたくて、家族5人で岐阜市内にある山の麓へ移住しました。実は峰が連なるその山が「百々ヶ峰(どどがみね)」という名前で、岐阜市の最高峰だということはその時、初めて知りました。 百々ヶ峰の近くで暮らすことは、私たちにたくさんの気づきを与えてくれました。季節によって色を変える山の姿。一面に広がる野苺をほおばる贅沢や、新緑のきれいさにみんなで驚いたり、「コツンコツン」と家の屋根の上に落ちてくるどんぐりの音を聞き合ったり、雪につつまれた姿に絵本のようだねと喜んだり。子どもたちはよく、百々ヶ峰で走り回って遊んでいました。「岐阜市内でもこういう暮らしができるんだ!」と嬉しくなると同時に、近くに山も長良川もあり、自然に触れながら暮らせるとてもいい場所だなと再確認しました。 “山と人をつなぐ場所”をつくりたい こんな風に山と暮らす素晴らしさを誰かと分かち合いたい、“山と人をつなぐ場所”を持てたら、と思っていたところ、自宅近くの製麺所が廃業し、売り物件になっているのを見つけました。山小屋のような趣のあるその建物に一目惚れし、「私がお店を開く場所はここかもしれない!」と胸が躍りました。 「岐阜市スタートアップ支援補助金」を活用させていただくことで事業開始の目処が立ち、家族、友人、地元の業者さん総出で建物をリノベーションしました。 「できることはなんでもやる!いや、できないこともやってみる!」と、リノベーションに挑み続けた日々。 そして、2025年2月に百々ヶ峰の麓に“山と人をつなぐ場所”として「yamasong」というドーナツカフェを開きました。 百々ヶ峰にちなみ「どどドーナツ」と名付けたドーナツは、以前にインターンシップで訪れた鳥取県青谷市にあった「ドーナツハウス」のレシピをもとにしています。もちもちふわふわな食感がたくさんのお客様から好評をいただいて、嬉しいです。 yamasongと私 “場を開く”とは素晴らしいことで、日々いろんな人が訪れてくれます。 「昔この製麺所で働いていたんですよ、懐かしいなあ」と、おじいちゃんおばあちゃん。 「赤ちゃん連れてゆっくりできるところができて嬉しい!」とお母さん。 「学校の近くにドーナツ屋さんができてとっても楽しみ」と小、中、高校生。 「今、百々ヶ峰に登って、下りてきたんですよ」と登山をする人。初めて出会ういろんな人が、いろんな思いで来てくださり、おしゃべりして、ほっとして、くつろいでくれる。まるで「どどドーナツ」の輪っかのように、yamasongをまんなかに、つながりが広がっていってくれています。 思い描いたことを越えてくる、面白い毎日に、岐阜に戻ってきたのは運命だったんだなと思わずにはいられません。 近くにある岐阜県立岐山高等学校とのコラボレーションもとても面白く、文化祭出店では“岐山高校オリジナルどどドーナツ”を販売して大好評!コラボを企画してくれた生徒会長の高橋諒丞(りょうすけ)くんと何度も打ち合わせを重ね、一緒に販売できたときはとっても嬉しかったです。 今後は自然科学部生物講座の学生と百々ヶ峰の植物・キノコの生態を探る「yamasongハイク」イベントも開催します。地域の人たちとつながれたらと思っていましたが、まさか高校生とつながれるとは!これからが楽しみです。 「ふり返ると一本道」とはよく言いますが、私にとって岐阜市での暮らしはまさにそんな感じです。 今までいろんな場所で、いろんな人と出会い、学び、育ててきたことがすべて、yamasongで活きている実感があり、自分でもびっくりしています。20歳の頃、岐阜駅前にあったミスタードーナツで友達とおしゃべりしながら、「いつかカフェをやりたいなあ」と思っていた私。その頃から「こんなふうにできたらいいな」という思いを大事にしてきて、良かったね。 「私らしい暮らし」。その一本道はいろんなことがつながって、まるでドーナツのようにまあるく円を描き、ぐるっと巡っているのかもしれません。 DATA <yamasong> 住所   岐阜市長良3076-2 営業時間 水・木・金・土曜の10:00〜16:00 定休日  日・月・火曜 Instagram @yamasong_dodogamine

特集 岐阜市暮らしの編集部コラム Vol.4 「商いのまち“岐阜町”での暮らし」

特集 岐阜市暮らしの編集部コラム Vol.4 「商いのまち“岐阜町”での暮らし」

岐阜市にゆかりのある市民ライターのみなさんが、岐阜市でのお気に入りの過ごし方や、大好きな場所、魅力に感じていることなどを綴るコラムです。 今回は岐阜市で生まれ育った山本慎一郎さんのコラムをご紹介します。 《PROFILE》 山本 慎一郎 SHINICHIRO Yamamoto 岐阜市松屋町にある明治9年創業の老舗油屋「山本佐太郎商店」の4代目。23歳で家業を継ぐ。油屋の新しい価値を探り、“30年後も愛されるおやつ”をモットーに和菓子職人の町野仁英さんと『大地のおやつ』シリーズを開発し、全国で発売。一男一女の父。 金華山の麓に広がる“岐阜町”で 僕が生まれ育ち、暮らし、商売をする岐阜市の“岐阜町エリア”。ここは基礎を斎藤道三、織田信長が整えた、歴史と文化を受け継ぐ町である。濃尾平野の最北端に座する金華山の麓に抱かれ、長良川の伏流水が地下に流れる。僕はこの町で、1876(明治9)年創業、150年続く老舗油屋「山本佐太郎商店」を営んでいる。 2021年、仲間たちと「岐阜まち家守」という不動産会社を立ち上げた。少子高齢化に伴い増加する空き家を、壊すのではなく活かしたい。町の風景を未来に繋いでいきたい。今、誰かがやらねばならない。そんな想いから始まった「岐阜まち家守」。岐阜町で商売したい人、暮らしたい人を町とコーディネーションするのが役割だ。岐阜町らしさとは何なのかを考え、エリアマネジメントを行っている。 歴史ある商店が持続し、新たな創業が生まれる岐阜町には、古くから商売を営む店が今も数多く残る。岐阜の手土産を買う店のひとつと決めている「長崎屋本店」は、1720年創業。和菓子では岐阜一番の老舗であり、松風と味噌松風の2種の菓子で300年余り続く。松風の原料は砂糖と小麦粉と水のみ。そこに白味噌を加え、カステーラ風に焼き上げた味噌松風は、もっちりと風雅。名前の由来は金華山が松の名所だったことにちなむ。  10代目の牧野浩之さんは町の物知り博士でもある。町の歴史からご近所の子どものことまでよく知っている。僕は油を売ることで、牧野さんは菓子を売ることで町に通ずるのであろう。 日々、家業を淡々と受け継いでいくことの尊さを思う。 誕生日のお祝いにはいつもこの店のケーキを 子どもの頃より慣れ親しんだ味がある。「AND-LADY」のショートケーキだ。誕生日には年齢と同じ数のロウソクを立てて、家族でハッピーバースデーを歌い、祝ってもらった。1978年創業。岐阜の洋菓子のルーツを成す「菊屋ベーカリー」初代の最後の弟子であった安藤貞幸さんが始めた。「うちは餅屋だから」が貞幸さんの口癖だった。つまり、その日のうちに食べていただくのが一番おいしい、ということ。2代目にあたる現店主の榮紀さんは、イチゴのショートケーキを「おはようショートケーキ」と名付けた。毎朝作るから、“おはよう”。作り置きをしない信念が受け継がれている。 この日は、TVアニメ「小市民シリーズ」とのコラボスイーツ「メロンのショートケーキ」(2025年7月1日〜9月30日まで限定販売)をいただく。 商売はお客さまとの信頼関係に置いて成り立つ。歩いて行ける距離に、この洋菓子店がある幸せ。 「守られている感じがする」 「岐阜まち家守」との縁をきっかけに、この町で商いを始めた店がある。天むすと惣菜の店「天ころりん」。築100年余の古民家をリノベーションして、姉妹で2023年に開業。特注の土鍋で岐阜県産のハツシモを炊く。 一日に作る「天結び」は70包。足るを知るは富む。欲張らず自分たちのペースで続けていくことが繁盛の秘訣だ。 開店と同時にお客さんがやって来る。店主に「この町に店を構えてどうですか?」と尋ねてみると、「守られている感じがする」と答えが返ってきた。 寺社仏閣が多いからか、山が近く自然が豊かだからか、町の人の寛容さか。暖簾に描かれた恵比寿さんが微笑んでいる。海老の天むすだから恵比寿さんで、縁起がよい。 町の豊かさとは、人によって育まれる。商いのまち“岐阜町”を、思いとネットワークで未来に繋いでいきたい。 DATA <山本佐太郎商店> 住所   岐阜市松屋町17 営業時間 9:30〜17:30 定休日  日・祝日 TEL   058-262-0432 Instagram @yamamotosataroshoten DATA <長崎屋本店> 住所   岐阜市中竹屋町38 営業時間 9:00〜18:00 定休日  日曜 TEL  058-263-1463 https://gifu-nagasakiya.com/ DATA <­AND-LADY> 住所   岐阜市常磐町20 営業時間 10:00〜20:00 定休日  火曜 TEL   058-264-3533 Instagram @andlady1 DATA <天ころりん> 住所   岐阜市白木町9 営業時間 11:00〜なくなり次第終了 定休日  火・水・木曜 ※臨時休業あり TEL   080-7657-3697 Instagram @tencororin82  

特集 トークイベント「岐阜市で暮らす」開催レポート<後編>

特集 トークイベント「岐阜市で暮らす」開催レポート<後編>

2025年1月17日(金)、岐阜市の自然やカルチャーを“暮らし”という視点で切り取り、岐阜市の新しい魅力を発信することをコンセプトに「TT” a Little Knowledge Store(トド ア リトル ナレッジ ストア)」で開催されたイベント「岐阜市で暮らす」。開催レポートの後編をお届けします。 ※前編はこちら:https://cool-gifucity.jp/iju_feature/p12093/ 岐阜市で暮らす案内人が、市外のゲストに岐阜市の暮らしを紹介したツアー「Not? Special GIFU TOUR(ノット?スペシャルギフツアー)」。トーク前半では、ツアーを企画した案内人の2人とゲストの3人が、2回のツアーの内容を振り返りながら、岐阜市の魅力的なスポットやお店、自然などについて語りました。 「岐阜市に住まいや仕事の拠点を置くことについて、どう思う?」 トーク後半では、ツアーの振り返りを踏まえ、「岐阜市の暮らしの魅力とは?」「岐阜市に住まいや仕事の拠点を置くことについて、どう思う?」というテーマでトークが展開されました。 小澤「住む場所、暮らす場所によって、人生って変わると思っています。岐阜市の柳ケ瀬商店街には若い人たちがチャレンジできて、子育てがしやすい環境もあって。子どもにとっても、親にとっても、選択肢がいろいろある環境って、とても良いなと思いました!」 末永「岐阜市は名古屋が近く、飛行機や新幹線で気軽にいろんな地方に行けるので、岐阜市と他の地域での多拠点生活という選択肢もありますよね」 弓「岐阜市は名古屋市に比べて、家賃が驚くほど低くて…!もし美容室の2店舗目を作るなら…と想像したときに、岐阜市だったら家賃のコストが抑えられる分、こだわった店づくりができるんじゃないかなと、どんどんイメージが膨らんで、素直に岐阜市って良いなと思いました」 今尾「岐阜市はほどよく都会でほどよく田舎。他の都市と比べて“余白”があり、理想の暮らしと働き方を自分のペースで実現できていると思います」 山本「2回のツアーを通じて『岐阜市で暮らしたら、こういう日々が送れるんだな』と感じられて、“岐阜市で暮らす”ということが現実的に考えられました。実際に移住するかどうかは別として、そう思えたのが一番良かったですね」 ツアーを通して感じたことやそれぞれの経験や状況を踏まえて、岐阜市の暮らしの魅力についてさまざまな意見が語られる有意義なイベントとなりました。   岐阜市内の人気ショップによるPOP UP STOREがオープン! トークの後は、料理やドリンクを片手に参加者同士の交流タイム! 会場には岐阜市のショップ「SHERPA COFFEE ROASTERS」と「PEPS」が出店!参加者はお店の方と直接会話をしながら商品の説明を聞いたり、買い物を楽しんでいました。 SHERPA COFFEE ROASTERS   Vol.1でも登場した「SHERPA COFFEE ROASTERS」さんは、世界各地の農園から届く高品質の豆を使った自家焙煎コーヒーを提供するコーヒー専門店。この日は試飲もあり、3種類のコーヒーの飲み比べをすることもできました。 金公園の近くにあるアパレルショップ「PEPS」さんは、岐阜の川魚をモチーフにしたブランド「KISO THREE RIVERS」のオリジナルグッズを中心に、個性溢れるアイテムを販売。参加者の方々は、気さくで明るい店主の木下さんとの会話も楽しんでいました。 最後は参加者のみなさんと記念撮影!     *** 実際のイベントの様子はこちらの動画をご覧ください。

特集 トークイベント「岐阜市で暮らす」開催レポート<前編>

特集 トークイベント「岐阜市で暮らす」開催レポート<前編>

2025年1月17日(金)、名古屋市千種区の「星が丘テラス」にあるカフェレストラン「TT” a Little Knowledge Store(トド ア リトル ナレッジ ストア)」で、岐阜市の暮らしを体感するトークイベント「岐阜市で暮らす」が開催されました。 トーク、食、物販などを通して、岐阜市の暮らしを感じる一夜に 岐阜市の自然やカルチャーを“暮らし”という視点で切り取り、岐阜市の新しい魅力を発信することをコンセプトに開催された「岐阜市で暮らす」。 岐阜市で暮らす案内人が、市外のゲストに岐阜市の暮らしを紹介した「Not? Special GIFU TOUR(ノット?スペシャルギフツアー)」を踏まえ、「岐阜市の“特別ではない毎日”を楽しもう」をテーマに、さまざまな視点からトークが展開されました。 ※第1回ツアーのレポート記事はこちら:https://cool-gifucity.jp/iju_feature/p11411 ※第2回ツアーのレポート記事はこちら:https://cool-gifucity.jp/iju_feature/p11537/ 会場には、愛知、岐阜、三重など東海3県を中心に各地から、岐阜市の暮らしに関心を持つ多くの参加者が集まりました。 岐阜市や近郊の食材を使った特別メニューを楽しむ。 TT” a Little Knowledge Storeがこの日のために考案した特別メニューの料理! 岐阜市長良にあるベーカリー「rustico4」のバゲットを使ったタルティーヌ、岐阜産野菜を巻いたクレープなど、岐阜市やその近郊の食材をふんだんに使った品々が並びました。 rustico4 「rustico4」は「Not? Special GIFU TOUR Vol.2」で最初に訪れた場所。風情ある川原町エリアの町並みの中に佇む、古民家を改装したベーカリーです。 中でもバゲットは他の食材と組み合わせて食べることを前提に計算し尽くされた、繊細な味わいです。 岐阜麦酒醸造のクラフトビールやぎふコーラプロジェクトの「ぎふコーラ」なども販売   Not? Special GIFU TOURの特別編!岐阜市の暮らしの魅力を語るトークセッション 今回のトークは、2024年8月にVol.1、10月にVol.2が開催された、「Not? Special GIFU TOUR」の特別編。 ツアーの案内人を務めた建築設計事務所「ミユキデザイン」の末永三樹さん、インスタマガジン「gifu diary」を運営する今尾剛(つよし)さん、ツアーゲストとして岐阜市を訪れたクリエイティブプロダクション「MAISONETTE Inc.」代表の山本雄平さん、写真家の小澤彩聖(あやと)さん、美容室「CLENN(クレン)」のオーナー弓さんが登壇し、「岐阜市の“特別ではない毎日”を楽しもう」をテーマに、トークセッションが行われました! *** 登壇者紹介   《岐阜市の暮らしを紹介する案内人》 Vol.1の案内人/末永三樹さん 2012年に建築設計事務所「ミユキデザイン」を立ち上げ、リノベーションをはじめとした建築の設計デザインを行うほか、「柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社」の一員として「サンデービルヂングマーケット」の立ち上げなど、まちづくりプロジェクトの企画・ディレクションを手がける。 Vol.2の案内人/今尾剛(つよし)さん 岐阜市の柳ケ瀬エリア出身。東京の大学を卒業後、都内の大手企業に勤めながら岐阜の魅力的なお店やスポットを紹介するインスタマガジン「gifu diary」を運営。現在は独立し、岐阜にマイホームを建てて岐阜での住まいや暮らしについての発信も行っている。 《名古屋や東京を拠点に活躍するゲスト》 Vol.1・2のゲスト/山本雄平さん 名古屋を拠点に活動するクリエイティブプロダクション「MAISONETTE Inc.」代表。「TT” a Little Knowledge Store」や「考尺°PINQ」などの飲食店の運営、「Maison YWE(メゾン イー)」のイベント出店や「TENTO」名義での移動型企画店舗を手がける。2025年春頃には名古屋と東京に新店舗をオープン予定。 Vol.1のゲスト/小澤彩聖(あやと)さん 日常に生きる糧になるような写真、場所、機会を手がける「株式会社PIXEL」代表。東京都内で二拠点生活をしながら、日本全国・世界各地を飛び回る写真家であり、コネクティブディレクターとして、人と人、人と機会を繋げている。 Vol.2のゲスト/弓さん 名古屋に店舗を構える美容室「CLENN(クレン)」のオーナーで、一児の母親。「ママ美容師の可能性を広げたい」という想いで19年勤めたサロンから独立し、2023年4月に「CLENN」をオープン。現在は2ヶ月先まで予約が埋まる人気サロンに。常に「仕事と家庭、子育てを両立させる為には」と考えながら働くママオーナー。   *** 「岐阜市の“特別ではない毎日”を楽しもう」 まずは、末永さんの案内による「Vol.1」の振り返りからトークセッションがスタート。 Vol.1は長良川沿いの遊歩道「長良川プロムナード」や自家焙煎コーヒー専門店「SHERPA COFFEE ROASTERS」などがある長良エリアと、シェアハウス「デイリーこやなぎ」や古本屋「徒然舎」などがある柳ケ瀬・美殿町商店街エリアを巡り、岐阜市の「自然」と「街」を感じるツアーでした。 末永「私は岐阜市の中でも金華山や長良川などの自然と街の距離の近さが特に好きで、それを感じてもらいたかったんです。スタート地点を伊奈波神社にしたのが一番のこだわりのポイントでした」 山本「伊奈波神社の後に訪れた長良川プロムナードや『鵜匠の家 すぎ山』から見た長良川の景色が、“移住するの本気でアリだな”と思うくらい美しかったです!」 小澤「僕は初めて岐阜を訪れたので、どんな街なのかイメージがあまり湧いていなかったのですが、ツアーでは特に柳ケ瀬商店街で起こっている変化を見られたのが面白かったです。若い人たちが“自分たちで何かをやろう”とチャレンジできる環境があるのはとても良いなと思いました」 続いて、今尾さんの案内による「Vol.2」 を振り返ります。 Vol.2は“子育て”というキーワードのもと、岐阜市柳ケ瀬子育て支援施設「ツナグテ」やセントラルパーク金公園、岐阜市の複合文化施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」を訪れたほか、ベーカリー「rustico4」、アジア料理店「green yang」、パティスリー「川島」など、岐阜市にお洒落で洗練されたお店があるという一面も見られたツアーでした。 岐阜市柳ケ瀬子育て支援施設ツナグテ 今尾「『ツナグテ』は、実家からも近くて、私自身子どもを連れて何度も訪れている場所です。岐阜市はほかにも『ドリームシアター』や『ぎふ木遊館』など屋内施設が充実していて、天気や季節に関係なく子どもを自由に遊ばせられるのでありがたいんですよね」 弓「ツナグテは大人も一緒に楽しめる施設で、私も子どものようにテンションが上がってしまいました(笑)。また、ツアーで周ったどのスポットも岐阜駅から車で5〜10分ほどの場所にあり、コンパクトに巡れる規模感も良かったです。『rustico』さんや『川島』さんなど、素敵なお店が集まっていることも贅沢に感じました!」 末永「自分にとっては当たり前の毎日を、市外の方の視点から“贅沢”だと言ってもらえることが新鮮に感じます。岐阜市の魅力を再発見できるようなツアーでしたね」   ツアーを振り返りながら、案内人の岐阜市での暮らし方、ゲストが気に入ったスポットやお店についてトークが弾みました。 開催レポートの後編でも、引き続きトークの模様をお届けしますので、お楽しみに! *** 実際のイベントの様子はこちらの動画をご覧ください。        

特集 岐阜市暮らしの編集部コラム Vol.3「柳ケ瀬を面白がる暮らしのススメ」

特集 岐阜市暮らしの編集部コラム Vol.3「柳ケ瀬を面白がる暮らしのススメ」

岐阜市にゆかりのある市民ライターのみなさんが、岐阜市でのお気に入りの過ごし方や、大好きな場所、魅力に感じていることなどを綴るコラムです。 今回は岐阜市の柳ケ瀬商店街にあるまちづくり会社に勤める福富梢さんのコラムをご紹介します。 《PROFILE》 福富 梢 KOZUE Fukutomi/柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社勤務 岐阜市出身。静岡県浜松市の大学に進学し一人暮らしをするも、2年生の時に自宅通学に切り替える。再度、岐阜市に拠点を移した後、友人たちと高校の部活から続けている演劇の活動に取り組む。2022年4月、柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社に入社し、10年続くサンデービルヂングマーケットの運営業務のほか、直営ショップ「サンビルストア」の運営や、岐阜市との連携業務を行っている。   柳ケ瀬を面白がる暮らしのススメ 〜夜呑みからモーニング、そして出社まで〜   「柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社」という、名前が全てを物語る会社で働いています。その名の通り、柳ケ瀬商店街を中心とするエリアをフィールドにしたまちづくり会社です。私は地元がこの辺りなので、小さい時から母に連れられてよく、柳ケ瀬に遊びに来ていました。今は実家を出ていますが、さらに柳ケ瀬に近いところで生活しています。 “柳ケ瀬で暮らし、働く”という生活になったことで、まちを楽しむ力がかなり鍛えられたように思います。車も持ち合わせていないので、生活圏は徒歩の範囲になります。物を買うにも、ご飯を食べに行くにも柳ケ瀬や、隣の美殿町商店街周辺だったりします。すると必然的に、まちを楽しむための解像度がぐんと上がるんです。   まちは飛び込んだ後が一番面白いと思っています。ただ通りすぎるだけだったお店が、「ママや大将がいるあのお店が好き」とか、「あそこの◯◯さんにそろそろ会いに行かないと」と思うようになり、まちに愛着が湧いてきました。 知り合いもどんどん増えるので、通りを歩くだけで声をかけてもらったり、お菓子だったりお団子をいただけたりする日もあります。 私は利用するお店の皆さんに、「柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社」で働いていることを必ず伝えるようにしています。すると段々、まちの人たちに、会社のことや自分自身のことを見守ってもらっているような感覚になってくるんです。   仕事後の夜の楽しみ   仕事が終わると、柳ケ瀬にある居酒屋やバーへ出かけます。中でも「菊川酒蔵」さんは、通称「夜のファミレス」と呼ばれています(かなり狭いエリアでの通称です)。お店に入るとすぐに、店長さんの「はーーーい!!!いらっしゃい!!!!!!」という元気な声が聞こえてきます。   この日は、演劇の稽古をした後にメンバーとお店へ。1人呑みも大好きですが、みんなで呑むのも大好きです。菊川酒蔵さんでは、定番メニューはもちろん、お店独自のユニークで美味しいメニューも多くあります。 ちなみに、よく頼むメニュートップ3はこちらです。 こんから(こんにゃくの唐揚げ) なすの肉詰め マグロアボカド 菊川酒蔵さんはお店を利用すると必ず1人は知り合いがいます。夜の柳ケ瀬を楽しむなら必ず通らなければならない、いわゆる通過儀礼のためのお店と言っても過言ではありません。   出勤前のモーニングから、また1日がはじまる 岐阜市はモーニング文化が根付いているまちです。私も特に、他の場所から遊びに来てくれた人には必ず、「じゃあ明日の朝、モーニング行きましょう!!」とお誘いしています。私は呑んだ次の日はモーニングへ行きます。むしろ、呑んでモーニングに行くまでがセットだと言い切っています(笑)。 「Speech Balloon」さんは、普段から利用させていただいているお店です。 柳ケ瀬商店街内のお店のモーニングは、サラダ、トースト、ゆで卵など、スタンダードなメニューのお店がほとんどなのですが、Speech Balloonさんは全てを覆してきます。 トーストにパスタ、オニオンフライ、サラダ、茶碗蒸し、そしてフルーツゼリー!ドリンク代(コーヒー450円)にプラス50円でこのボリュームなんて、信じられないモーニングです。オニオンフライも魅惑のおいしさですが、とにかく美味しい謎のパウダーがかかっているパスタが魅力的です。 モーニングでお腹いっぱいになってから、お店の方の「行ってらっしゃい〜」の声に見送られて、柳ケ瀬へと出勤します。 小さい時、母に連れられていた時ももちろん楽しかったことには変わりませんが、年齢や生活スタイルに応じて、岐阜市のまちのお店や柳ケ瀬商店街で楽しめることが増えた今も、とっても楽しいです。ただ、まだ開拓し尽くせたとは言えません。名だたる先輩方の楽しみ方を見ると、まだまだ自分には伸び代があるのだと、ワクワクします。これからの“柳ケ瀬暮らし”も楽しみです。   DATA<菊川酒蔵> 住所 岐阜市柳ケ瀬通2-17 江戸ッ子ビル2F 営業時間 17:00〜22:00 定休日 月曜 TEL 058-265-5150 DATA<Speech Balloon> 住所 岐阜市長旗町1-4-1 営業時間 7:00〜17:00 定休日 日曜 TEL 058-262-0045        

特集 岐阜市暮らしの編集部コラム Vol.2 「岐阜市で楽しむアートな暮らし」

特集 岐阜市暮らしの編集部コラム Vol.2 「岐阜市で楽しむアートな暮らし」

岐阜市にゆかりのある市民ライターのみなさんが、岐阜市でのお気に入りの過ごし方や、大好きな場所、魅力に感じていることなどを綴るコラムです。 今回は岐阜市で生まれ育った河合ほのかさんのコラムをご紹介します。   《PROFILE》 河合 ほのか HONOKA Kawai 岐阜市生まれ。高校生までを岐阜市、大学時代を京都で暮らし、コロナを機に岐阜市へUターン。現在は、岐阜市と職場がある各務原市を往復する生活を送る。   意外と身近に文化はある。   子どもの頃を思い返すと、小学生の頃は放課後に美術館や科学館へ遊びに行ったり、高校生になると通学ルートの途中に市立中央図書館がある複合文化施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」がオープンし、友達と待ち合わせをして通ったりしていた。 それが当たり前だと思っていた環境も、大人になると文化に囲まれた恵まれたまちに暮らしていたのだと感じるようになった。社会人になった今も、何か新しい発見を探しに、岐阜県美術館へ足を運ぶことがある。     今日はどんな出逢いがあるのだろうか。 “文化”と聞くと感度高めなイメージがあるかもしれないが、最近はSNSで施設のイベントの情報が得られ、講座の種類も豊富で、文化施設の敷居が低くなった気がする。 特に予定もない休日は、朝はゆっくり起きて、午前中はジムで体を動かし、午後はフラフラと外の空気を吸いに出かける。     この日訪れた県美術館では、館長の日比野克彦さんの展示が行われていた。日比野さんと言えば、「こよみのよぶね」。岐阜市を流れる長良川の冬の風物詩といえるアートプロジェクトだ。小さい頃にこの県美術館で「こよみのよぶね」のワークショップに参加したな、と思い出に浸っていると、あっという間に夕方に。   コーヒーを片手に、帰路に着く。仕事中はパソコンと睨めっこばかりだから、緑に触れる時間が大切だなぁとしみじみ。   岐阜市のアイデンティティ、金華山。 家に帰る道の途中で、金華山が見えた。岐阜市内の学校の校歌には、高確率で「金華山」の言葉が入っている気がする。そのくらい“岐阜人”にとって金華山は身近な存在ではないだろうか。   金華山が見える方向で現在地がだいたい分かったり、遠出して岐阜市に帰ってきた時に金華山が見えるとホッとしたり。金華山の存在が、謎の安心感を与えてくれる。都会すぎず、田舎すぎない岐阜市は、私にとって居心地が良いまちなんだろうなぁ。   明日からの仕事に備えて“ご自愛”を 家へ到着。小腹が空いたので果物なら罪悪感が少ないと暗示をかけ、柿をムシャムシャと食べる。特別なことをしなくても、平凡に過ごす時間が、私の“ご自愛”タイムなのだ。さあ、明日からも仕事頑張ろう!     DATA<岐阜県美術館> 住所 岐阜市宇佐4-1-22 開館時間 10:00〜18:00 休館日 月曜(祝・休日の場合は翌平日) URL  https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/    

特集「Not? Special GIFU TOUR」Vol.2

特集「Not? Special GIFU TOUR」Vol.2

 2024年8月に開催された、岐阜市の暮らしの魅力を市外の方々に紹介するツアー「Not? Special GIFU TOUR(ノット?スペシャルギフツアー)」。岐阜市で暮らす案内人が市外に住むゲストの方々を案内し、岐阜市での“特別ではない毎日”をリアルに体感していただくツアーです。 そんなツアーの第2回が、2024年10月に開催されました! 第2回の案内人は、インスタマガジン「gifu diary」の運営や、住まいに関する情報発信・サポートを行うフリーランスの今尾剛さん。岐阜市の柳ケ瀬エリア出身で、岐阜市の暮らしを楽しみながら仕事と子育てを両立しています。 そしてゲストは、名古屋を拠点にスタイリングやデザイン、飲食店の運営などを手掛ける「MAISONETTE inc.」代表・山本雄平さんと、名古屋市内にあるヘアサロン「CLENN(クレン)」のオーナー・弓さん。仕事と子育てに日々奮闘するゲストのお二人に、今尾さんが岐阜市での暮らしやおすすめスポットを案内するツアーの模様をレポートします!       最初に訪れたのは、岐阜市内に4店舗を構える人気のベーカリー「rustico(ラスティコ)」。その4店舗目として2018年にオープンした川原町店は、風情ある町並みの中に佇む古民家を改装した洗練された内装が魅力です。 撮影:山本さん   rusticoといえば、14時まで注文できるボリューム満点のモーニングが人気!ドリンクを注文すれば、3種類のパンが味わえるプレートが無料でついてきます。また+200円で6種類のパンが味わえ、グループで訪れると一人ずつパンの内容が異なっているのもポイントです。 撮影:山本さん   今尾「岐阜市ではいろんなお店でモーニングが楽しめますが、『gifu diary』の読者に圧倒的に人気があるのがrusticoさんのモーニングなんです!」 山本「朝から大満足のボリューム!休日に、家族でゆっくり訪れたいなと思います」 DATA<rustico4> 住所 岐阜県岐阜市玉井町12 営業時間 8:30〜17:00 定休日 無休 駐車場 あり URL  https://www.instagram.com/r_u_s_t_i_c_o/       美味しいモーニングでお腹を満たし、次に向かったのは岐阜公園と金華山の山頂駅を約4分で結ぶ「ぎふ金華山ロープウェー」。 撮影:山本さん   晴れた日には360°ガラス張りのゴンドラから、金華山の自然林、長良川、岐阜市の街並みや濃尾平野が一望でき、四季折々の景色を楽しめます。 当日はあいにくの雨模様でしたが、幻想的な写真が撮影できました! 展望レストランからの夜景(提供:ぎふ金華山ロープウェー)   また、ゴールデンウィークと7月〜11月は期間限定でナイター営業も実施しています。山頂にある展望レストラン「ル・ポン・ドゥ・シェル」では、岐阜市街の明かりが煌めく夜景を眺めながら食事を楽しむことができます。 山本「長良川と金華山、中心市街地と自然との距離の近さが岐阜市の魅力ですよね」 弓「雨で視界が白く覆われた景色も、幻想的で良かったです!次は晴れている時にまた訪れたいです」 DATA<ぎふ金華山ロープウェー> 住所 岐阜県岐阜市千畳敷下257 営業時間 9:00~17:00 ※時期によって営業時間が変動します。詳しい営業時間はこちらをご覧ください。 定休日 無休 ※2/18(火)2/19(水)は施設点検整備のため休業。 駐車場 あり(300円) URL  https://www.kinkazan.co.jp/       金華山から市街地へ戻り、お昼に向かったのは岐阜市文化センターの一角にあるアジア料理店「green yang」。 撮影:山本さん ランチは特製担々麺、シンガポールチキンライス、グリーンカレーなどがあり、そこに前菜や点心が加わった「ミニ飲茶コース」が人気です。お店はセントラルパーク金公園に隣接していて、店内にも心地良い風が入ってきます。外にはテラス席も用意されているので、公園で子どもを遊ばせながらゆったりランチを楽しむのもおすすめです。 山本「ミニ飲茶コースは大満足の内容!晴れている日はテラス席も気持ちよさそうです」 DATA<green yang> 住所 岐阜県岐阜市金町5-7-2 文化センター1F 営業時間 火〜土11:00~22:00、日11:00~21:00 定休日 月曜日 駐車場 なし URL https://www.instagram.com/green___yang/       green yangの隣に広がる公園が、2023年3月にリニューアルした「セントラルパーク金(こがね)公園」。広大な芝生広場をはじめ、公園を見渡せる「小高い空間」や大小さまざまなベンチ、噴水などがあり、のびのびと過ごせる新しい憩いの場です。週末にはマルシェなどのイベントが開催されることも。セントラルパーク金公園を抜けると見えてくるのが「金神社」。高さ8mの金色の鳥居が目印です。 金神社は金運や商売繁盛のご利益があるとされ、特に初詣の時期や金の御朱印がもらえる毎月最終金曜日には多くの参拝者で賑わいます。 山本「まちに公園があるって大事ですよね。広い空間でのびのびと過ごせそうです。」 今尾「遊具ばっかりじゃなくて、芝生の空間がゆったりと広がっているのが良いですよね。金神社は県外からの参拝も多いですよ」 DATA<セントラルパーク金公園> 住所 岐阜市金町5-7 営業時間24時間 休園日 なし 駐車場 なし(近隣コインパーキングを利用) URL  https://www.city.gifu.lg.jp/info/machizukuri/1007994/1008005/1016166.html <金神社> 住所 岐阜市金町5-3 参拝時間 24時間 駐車場 あり(参拝の方のみ) URL  https://koganejinjya.com/       金公園、金神社に立ち寄った後、すぐ北にある柳ケ瀬商店街へ。次の目的地は、「柳ケ瀬グラッスル35」の4階にある岐阜市柳ケ瀬子育て支援施設「ツナグテ」。有料の「きっずエリア」と無料の「ふぁみりーエリア」があり、きっずエリアには「きんかざんクライミング」「ながらがわボールプール」「ぎふじょうパノラマネット」など、たくさんの大型遊具や工作体験スペースが広がります。 ふぁみりーエリアの本棚には、子ども向けの絵本や親向けの書籍が並びます。また、「あずかルーム」では未就学児を3時間まで有料で預けることができます。 今尾「僕も頻繁に利用していて、子育てをしている親にとって、とてもありがたい施設です!実家が柳ケ瀬にあるので、母親に子どもをツナグテへ連れて行ってもらって、妻と二人でお出かけすることもよくあります」 弓「雨の日や夏の暑い日も天気を気にせず、のびのび過ごせる場所ってなかなかないから、ありがたい存在ですね!」 DATA<岐阜市柳ケ瀬子育て支援施設ツナグテ> 住所 岐阜市徹明通2-18 柳ケ瀬グラッスル35 4階 営業時間 10:00~18:00 ※最終入場は17:30 定休日 毎月最終木曜日、年末年始 ※臨時休館日あり 駐車場 なし(近隣コインパーキングまたは柳ケ瀬グラッスル35の駐車場を利用) URL  https://www.city.gifu.lg.jp/tsunagute/index.html       続いて向かったのは、「柳ヶ瀬」のバス停の目の前にある「ツバメヤ」。 撮影:弓さん   名古屋や東京にも店舗を構え、全国にファンを持つ和菓子屋「ツバメヤ」の本店で、赤いツバメのロゴマークが目印です。香ばしい深煎りのきな粉を使った看板商品の「ツバメわらび」をはじめ、石臼挽き小麦全粒粉と特別栽培小豆と粗糖で炊き上げたあんこで作る「大地のどらやき」、国産よもぎをたっぷり使った「草もち」など、素材の美味しさを活かした手作りの和菓子が人気。自宅用だけでなく、市外や県外の方への手土産に利用されることも多いそう。 弓「手土産を買うのにぴったりの素敵な和菓子屋さん。『もちもちどらやき』は素朴な美味しさで、とっても気に入りました!」 DATA<ツバメヤ> 住所 岐阜県岐阜市神田町4-13 営業時間 9:00~18:00 定休日 月曜日 駐車場 なし(近隣コインパーキングを利用) URL  https://tsubame-ya.jp/       柳ケ瀬商店街を抜け、一行はすぐ東にある美殿町商店街に向かいます。 川島」は、2020年に美殿町商店街にある「まちでつくるビル」の1階にオープンしたパティスリー。大きな石の什器がインパクト抜群で、店内には20種類以上の焼き菓子やジャムが並びます。定番人気は発酵バターサブレやカスタードプリン。夏はグラスエソルベ(アイスクリーム)、冬はビーントゥーバーチョコレートやボンボンショコラといった季節限定の商品も見逃せません。何度訪れても驚きや発見を与えてくれる、探究心とこだわりが詰まったお菓子づくりをされています。 弓「ガラス張りで洗練されたお洒落な空間に、扉を開ける前からドキドキ!お菓子はもちろん内装や紙袋までこだわり抜かれていました」 DATA<川島> 住所 岐阜県岐阜市美殿町17 営業時間 12:00~18:00 定休日 月曜日、火曜日 駐車場 なし(近隣コインパーキングを利用) URL  https://kawashimayuri.com/         最後は、案内人の今尾さんが市外の人を案内する時に必ず訪れるという「みんなの森 ぎふメディアコスモス」へ。市立中央図書館や市民活動交流センター、展示ギャラリー、ホールなどから構成される岐阜市の複合文化施設です。図書館では本を読んだり、調べ物をしたりするのはもちろんのこと、「持込みパソコン利用席」があり、テレワークなどのPC作業をするのにも便利です。 児童エリアも充実し、子どもの頃から豊かな読書体験ができます。 撮影:弓さん   今尾「第二の仕事場として、集中して作業がしたいときに利用したり、休日に子どもを連れてきて家族で過ごしたりと、頻繁に利用しています」 山本「フリーランスの人はコワーキングスペースのように使えて良いですね!」 弓「子どもから大人までいろんな人が利用しているのに居心地がとっても良い!自分が子どもだったら、こんな素敵な図書館が地元にあったら自慢したくなります!」 DATA<みんなの森 ぎふメディアコスモス> 住所 岐阜県岐阜市司町40-5 営業時間 9:00~21:00 ※市立中央図書館は9:00~20:00 定休日 毎月最終火曜日 ※祝日の場合は翌日、年末年始と重なる場合は前週の火曜日、年末年始 駐車場 あり(30分/100円 ※館内利用者は入庫後2時間まで無料) URL https://g-mediacosmos.jp/ ツアーを終えて こうして今尾さんの案内によるツアーが終了。お二人に1日の感想を伺いました。 山本さん「1回目は自然の風景やまちとの距離感を体感するツアーでしたが、今回は岐阜市のお洒落な一面をたくさん知ることができました。いわゆる“田舎暮らし”で連想されるようなスローライフではなく、“洗練された日常をゆったり楽しむ”という岐阜市ならではの暮らしの楽しみ方があると感じました」 弓さん「rusticoのモーニングから始まり、金華山からの景色、公園を眺めながらのランチ、手土産にぴったりなお店など、岐阜市には、暮らしの中に取り入れることで毎日が豊かになるような素敵な場所がたくさんあることを知ることができました。中でも一番気に入ったのは、やはり『ツナグテ』。天候に左右されず、子どもと楽しく一日中過ごせる場所は他にはないと思います!」   実際のツアーの様子はこちらの動画をご覧ください。※第1回のレポート記事はこちら:https://cool-gifucity.jp/iju_feature/p11411 ※第1回のツアームービーはこちら:https://www.youtube.com/watch?v=ZyiKyOiiT3g