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特集 岐阜市暮らしの編集部コラムVol.1 「長良の豊かな暮らし 珈琲から始まる朝」

特集 岐阜市暮らしの編集部コラムVol.1 「長良の豊かな暮らし 珈琲から始まる朝」

岐阜市にゆかりのある市民ライターのみなさんが、岐阜市でのお気に入りの過ごし方や、大好きな場所、魅力に感じていることなどを綴るコラムです。 今回は岐阜市に移住して4年目の南部美乃さんのコラムをご紹介します。 《PROFILE》 南部 美乃 YOSHINO Nanbu /デザイナー 神奈川県出身。21歳から、東京でグラフィックデザイナーとして約20年過ごす。岐阜に親戚などがいるわけではなく、岐阜の地理的な場所もはっきり知らなかったが、名古屋に仕事で来た時に岐阜市長良在住の友人に言われた「岐阜にこやー」※の一言をきっかけに長良にハマる。2021年4月、長良に一緒に住める旦那さんをお見合いサイトで見つけ、3ヶ月で即移住。長良での豊かな暮らしが大好きな岐阜市在住4年目。 ※「こやー」とは岐阜弁で「来やあ」、つまり「おいで」という意味   長良の豊かな暮らし 珈琲から始まる朝 友人に誘われて、初めて岐阜市長良という場所を訪れました。名古屋駅からJRの快速で20分、岐阜駅でバスに乗り換え15分で、いきなり現れる急な大自然!!この山(金華山)と城(岐阜城)と長良川の美しさに衝撃を受けました。 長良川の風に当たり、「いつか(10年くらいの間に)ここに住みたい」と感じていました。その時はまさか、その後半年で移住しているとは思ってもみませんでしたが……。住まいはもちろん、長良川のここ(長良川プロムナード)に自転車で来られることを必須条件で探しました。 毎日長良川と金華山を見て、出会った人とおしゃべり 岐阜の喫茶店はモーニング文化が根付いていると噂は聞いていたけれど、車も、土地勘もなく、好みの喫茶店を見つけられずにいました。移住して1 年、なかなか友人ができないことだけは少し寂しく感じていた時、長良川までの散歩の道すがらにある建物にノボリを発見。「おいしい珈琲」という文字が私の目には、「ここにおいで!!」と見えました。 そこは「&n(アンドン)」という築70年の木材倉庫を利用した3階建ての建物で、お花屋さん、イタリアンレストランなど複数のお店が入居する複合施設でした。その一角で、晴れた平日の午前中(9時から12時ごろ)という、私の朝の散歩時間ぴったりに営業している「MIGI COFFEE STAND」さんと出会ったことで、金華山と岐阜城を見ながら美味しい珈琲を飲んで1日が始まる、長良での豊かな暮らしがスタートしました。  岐阜市に来てからの大きな変化は、早寝早起きの生活になったこと。ゆっくり話ができる時間、誰かに出会える場所は大切です。今ではこの場所が、地域の方や移住者が交わるコミュニティーになっています。 「あんどん楽市」が行われる毎月第2日曜に私と友人が開催している、使っていないモノを次の人へ繋げる場としての交換会「ぶつぶつ交換」や、移住者と地元の人が交わる場所として始めた「移住カフェ(ランチ会)」のアイデアも、この丸テーブルでの会話から生まれました。 MIGI COFFEE STAND の右高さんも、実は20 年ほど前に名古屋、東京、山梨、飛騨の山を回って岐阜市長良に巡り合った移住者です。 「おいしい珈琲と、金華山、長良川。長良って素晴らしいね!!」と、ここで出会う方と一緒に感じられることが幸せです。 DATA<MIGI COFFEE STAND> 住所 岐阜市長良45-1 営業時間 9:00〜12:00頃 定休日 土・日曜(第2日曜は営業) 駐車場 なし Instagram https://www.instagram.com/migicoffeestand/ DATA<&n> 住所 岐阜市長良45-1 駐車場 なし URL https://and-n.info/ Instagram https://www.instagram.com/and_n_ukaiya/                                                                                                                           

特集「Not?Special GIFU TOUR」Vol.1

特集「Not?Special GIFU TOUR」Vol.1

2024年8月某日、岐阜市の暮らしの魅力を市外の方々に紹介するツアーが開催されました。 その名も、 「Not? Special GIFU TOUR(ノット?スペシャルギフツアー)」! 「Not? Special GIFU TOUR」とは、岐阜市で暮らす案内人が市外に住むゲストの方々を案内し、岐阜市での”特別ではない毎日”をリアルに体感していただくツアーです。 第1回の案内人は、美殿町に拠点を持ち建築デザイン、まちづくり、シェアハウスの運営など多様な活動をする建築設計事務所「ミユキデザイン」の代表・末永三樹さん。16年前に岐阜市内に移住した末永さんは、現在長良川沿いに暮らし、一児の母として子育ても行っています。 そしてゲストは、名古屋を拠点にスタイリングやデザイン、飲食店の運営などを手掛ける「MAISONETTE inc.」代表・山本雄平さんと、東京を拠点に日本・世界各地を駆け巡るフリーランスの写真家の小澤彩聖(あやと)さん。 名古屋・東京を中心に大都市圏で活躍するお二人を招き、末永さんが暮らし、仕事、子育て…とさまざまな視点から岐阜市での日常を案内したツアーの模様をレポートします! まず訪れたのは、JR岐阜駅から車を10分ほど走らせた場所にある「伊奈波神社」。 創建から1900年以上の歴史があり、地下には長良川の伏流水が流れる自然豊かなこの神社はパワースポットとしても知られ、背筋がスッと伸びるような澄んだ空気に満ちています。 岐阜市での暮らしの中で、自然と街の近さに大きな魅力を感じている末永さん。本殿までの長い階段を登り、そこから見下ろす岐阜市街の景色を、ツアーの最初に見てほしかったのだといいます。 末永「伊奈波神社は市外の人を案内する際に必ず連れて行くお気に入りのスポットなんです。毎朝ここでお参りしてから出勤するという友人もいますよ」 山本「駅からわずか10分でこの景色!市街地とはガラリと雰囲気が変わりますね」 DATA<伊奈波神社> 住所 岐阜市伊奈波通り1-1 拝観時間 24時間 駐車場 あり(無料) URL https://www.inabasan.com/ 次に向かったのは、JAぎふが運営する大きな直売所「おんさい広場」。 地元の生産者が栽培した新鮮でおいしい野菜のほか、つきたてのお米や手作り米粉パン、漬物、味噌、お花などが揃います。 末永「東京や名古屋の中心部で生活していると、こんなに大きな市場に足を運ぶことはないのでは?普通のスーパーにはない珍しい野菜も並ぶので、見ているだけでも面白いですよね」 小澤:「地域色が強く出ていて、道の駅のように楽しめますね!」 DATA<おんさい広場鷺山> 住所 岐阜市下土居212-2 営業時間 9:30~17:00 ※日曜日・祝日は9:00~17:00 定休日 無休 ※年末年始を除く 駐車場 あり(無料) URL https://www.jagifu.or.jp/about/store/detail.php?id=537 美味しそうな食材を見て、そろそろお腹が空いてきた一行。 「地元の人が足繁く通う“冷やしたぬき”の名店は、今回のツアーに外せない!」と末永さんの案内でやってきたのは、連日絶えず行列ができる人気店「更科」です。 撮影:山本さん 看板メニューの “冷やしたぬき”は、そばに天かすとお揚げが乗った岐阜市民のソウルフード。甘辛いタレにお好みでわさびを溶かしながら食べるのがポイントです。 この日は末永さんのおすすめで、通常の1.5倍サイズの“ダブル”に挑戦!ボリューム満点ですが、お二人はペロリと平らげていました。 小澤「店内の賑わいや老舗ならではの店の雰囲気に圧倒されました!僕は “人に案内したい場所”があるかという視点で街を見ているのですが、ここはまさにそんな場所ですね」 DATA<更科> 住所 岐阜県岐阜市京町3-4 営業時間 10:30~18:00 ※ラストオーダー17:45 定休日 木曜日、1月1日〜3日 駐車場 あり(無料) URL https://www.tanuki-soba.com/ 続いて向かったのは、川辺から「ぎふ長良川の鵜飼」が眺められる遊歩道「長良川プロムナード」。末永「長良川の北側からは金華山と長良川が一緒に眺められて、私はこの景色がとても好きなんです」 長良川の南側に住んでいる末永さんは、休日にこうして自宅の対岸まで歩き、長良川プロムナード沿いにある旅館「鵜匠の家 すぎ山」をはじめ、近隣の宿泊施設の日帰り温泉を利用して、ロビーや露天風呂から長良川の風景を楽しんでいるのだそう。 撮影:小澤さん 山本「この景色が日常にあるのが羨ましい!『鵜匠の家 すぎ山』さんの温泉に入ってから、1階のラウンジで珈琲を飲みながら仕事ができたら最高ですね」 小澤「東京で言うと“奥多摩”とか、都心から離れた場所までいかないと見られない景色。それが市街地から自転車でも来られる距離にあるというのはとても魅力的です」 DATA<鵜匠の家 すぎ山(日帰り温泉)> 住所 岐阜市長良73-1 営業時間 11:30~14:30 ※受付14:00まで 定休日 水曜日 入浴料金 大人1,000円(中学生以上)/ 小人700円 駐車場 あり(無料) TEL 058-231-0161 URL https://www.gifu-sugiyama.com/ 長良川の風景を堪能した一行が次に訪れたのは、自家焙煎コーヒーの専門店「SHERPA COFFEE ROASTERS」。 末永「ここは私が岐阜市で一番お気に入りのコーヒー屋さん。スタッフから豆の味わいや香りの特徴を詳しく解説してもらえるので、説明を聞きながら注文を決めるのがおすすめですよ。実はお店のデザインもやらせてもらいました」 ゲストの二人も、豆の特徴を焙煎度合いとフレーバーをもとに分布した「マトリクス表」を見ながら説明を聞き、3種類を飲み比べ。 撮影:山本さん 山本「ワインを紹介するように豆を紹介してくれるところがすごく良かった。近所にあったら通いたくなるお店です」 小澤「ショップで販売されている持ち帰り用のコーヒー豆やアイスコーヒーはプレゼントにもちょうど良いですね!」 DATA<SHERPA COFFEE ROASTERS> 住所 岐阜市早田1901-6 営業時間 10:00~18:00 定休日 火曜日 駐車場 あり(無料) TEL 058-295-0136 URL https://sherpacoffeeroasters.shop/ 続いて訪れたのは「みんなの森 ぎふメディアコスモス」。市立中央図書館や市民活動交流センター、展示ギャラリー、ホールなどから構成される岐阜市の複合文化施設です。 撮影:山本さん 施設の中に入って驚くのは、公共施設とは思えない開放的で洗練された空間デザイン!世界的建築家の伊東豊雄氏による設計で、この建築を目当てに市外からも多くの人が訪れます。 特に2階の市立中央図書館には、“波打つ天井”と呼ばれる木製の格子屋根から、いくつもの大きな傘のような“グローブ”が吊るされています。 撮影:小澤さん 歴史や宗教、郷土資料が集まった「郷土のグローブ」、芸術、社会科学、自然科学の本が並ぶ「ゆったりグローブ」、市民が参加できる展示が行われる「展示グローブ」、靴をぬいで子どもたちが利用できるスペースになっている「親子のグローブ」……など、本を借りて読むのはもちろんのこと、子どもから大人まで、誰もがここで過ごすこと自体を楽しめるようなさまざまな工夫が凝らされています。 小澤「子育てや教育という視点で見ても、こんな図書館が自分の住むまちにあったら嬉しいですね」 DATA<みんなの森 ぎふメディアコスモス> 住所 岐阜県岐阜市司町40番地5 開館時間 9:00~21:00 ※市立中央図書館は9:00~20:00 休館日 毎月最終火曜日 ※祝日の場合は翌日、年末年始と重なる場合は前週の火曜日、年末年始 駐車場 あり(30分/100円 ※館内利用者は入庫後2時間まで無料) TEL 058-265-4101 URL https://g-mediacosmos.jp/ ぎふメディアコスモスを後にした一行は、美殿町にある“まちの古本屋”さん「徒然舎」へ。 末永「美殿町をクリエイターが集まる街にするために、築50年の『矢沢ビル』を改装して新しいカルチャー拠点をつくろうというプロジェクトが2014年ごろに始まり、その流れで1階に入居してくれたのが『徒然舎』さんだったんです」 2014年にすぐ隣の「殿町」からこの場所へ移転オープンした徒然舎。アート関連の書籍や学術書を中心に、暮らしの本や郷土の本、絵本などさまざまなジャンルの本が約1万冊揃います。店内は明るくゆとりを感じる空間で、古本に馴染みがない人でも入りやすい雰囲気が魅力です。 大型書店ではあまり見かけないzineやリトルプレスも充実していて、カルチャー好きのゲストのお二人は興味津々の様子。   山本「デザインやアートなど、仕事で活かせそうなジャンルの本や雑誌が充実していて嬉しい!19時まで開いているので、仕事帰りに寄ることもできますね」 末永「徒然舎ができてから、この通りで古本市が開催されるようになって。自分が暮らすまちに本屋さんがあることって、とても豊かですよね」 DATA<徒然舎> 住所 岐阜市美殿町40 矢沢ビル1階 営業時間 12:00~19:00 定休日 火曜日、水曜日 駐車場 なし TEL 058-214-7243 URL http://tsurezuresha.net/ 最後は、末永さんが仕事でも深く関わる「柳ケ瀬商店街」を訪れました。 戦後、全国でも有数の繁華街として栄えた柳ケ瀬商店街。当時の賑わいはないものの、現在は空き店舗や空き物件を活用して20代の若者世代を中心に新しいプロジェクトを始める人が増えています。 元々靴屋だった店舗をリノベーションし、大学生がギャラリーを運営する「ニュー銀座堂」や、商店街で暮らす若者世代の拠点にもなっているシェアキッチン「デイリーこやなぎ」とその2階〜4階にあるシェアハウス「アパートメントこやなぎ」、ものづくりをするクリエイターが小さなアトリエやショップを構えられる「サンビルストア」を見学。 末永さんは「若い人たちが新しいことや、やりたいことに挑戦するきっかけになるような場所をつくりたい」という思いから、「ミユキデザイン」や「柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社」を通して、これらの拠点づくりに携わってきました。 末永「この柳ケ瀬商店街を“買い物と娯楽”のための商店街から、“暮らし”の商店街へ変化させていきたいと思っていて、そのための拠点やきっかけづくりをしているんです」 山本「“商店街に住む”という選択肢があることが良いですね。こういう場所がたくさん増えたら、まちが面白くなりそうです!」 DATA <ニュー銀座堂> 住所 岐阜県岐阜市柳ヶ瀬通2丁目15 営業時間 11:00〜18:00 定休日 火曜日 駐車場 なし URL https://www.instagram.com/new_ginzado/ <デイリーこやなぎ> 住所 岐阜市小柳町18-6デイリーこやなぎ1F URL https://www.instagram.com/dailykoyanagi/ <サンビルストア> 住所 岐阜県岐阜市柳ケ瀬通り2丁目17番地 江戸ッ子ビル1階 営業時間 12:00-17:00 定休日 水曜日 駐車場 なし URL https://www.instagram.com/sundaybldg_stores/ ツアーを終えて こうして第1回ツアーは終了。末永さんの住まいがある長良川周辺エリアでは、長良川や自然の風景とともに過ごす “暮らし”を、仕事の拠点を持つ美殿町・柳ケ瀬周辺エリアでは若者世代を中心に面白いもの・ことが始まっていく新しい動きが紹介され、充実したツアーとなりました。 山本さん「毎日、長良川と金華山のある風景が眺められる、川沿いの暮らしが特に気に入りました。また、柳ケ瀬商店街も若者が街に根付き、何か新しいことを始めようという動きが各所で起こっていて、これからもっと面白くなりそうだと感じました!」 小澤さん「個人のお店から公共施設、商店街の動きなどを見て、岐阜市は、子どもから大人までどの世代にとっても“豊かな日常”が育まれている街だと感じました。そんな日常を“自分たちで作っていきたい!”という人には、よりフィットしそうですね。次は岐阜市での朝や夜の過ごし方も体験してみたいです!」 実際のツアーの様子はこちらの動画をご覧ください。