iju interview

Vol.14(下田 祐輔さん、花子さん、小花ちゃん)

子どもも親ものびのびと、
子育ては「まち」に支えられて

下田 祐輔さん、花子さん、小花ちゃん

子育てをするなら、このまちで

岐阜市中心市街地にあるマイホームに家族3人で暮らす、下田祐輔さん、花子さん、小学校1年生の長女・小花ちゃん。大阪府大阪市出身の祐輔さんと、岐阜市出身の花子さんが出会ったのは2014年、花子さんが当時アルバイトをしていた岐阜市柳ケ瀬商店街内の百貨店に、祐輔さんが転勤で赴任したことがきっかけでした。意気投合したお二人はその年の8月に入籍。翌年、小花ちゃんが生まれ、家族3人の暮らしが始まりました。

7歳の小花ちゃんは緊張しつつも、長時間の取材に応えてくれた。

7歳の小花ちゃんは緊張しつつも、長時間の取材に応えてくれた。

「岐阜市に定住することを決めたのは、子育て環境を考えてのことですね」。(花子さん)

結婚当時、祐輔さんの仕事は、全国転勤が必須だったため、花子さんもそれに伴って全国を転々とするのだろうと思っていたといいます。しかし、いざ子育てが始まると、精神的にも体力的にも周りの人を頼らないとできないという状況に直面し、夫婦で相談のうえ、岐阜市に家を持つことに。転勤で初めて岐阜市を訪れ、岐阜市での生活は1年余りと短かった祐輔さんも、自然豊かで、花子さんの家族や友人など頼れる人が身近にいる場所で暮らしていくことに迷いはありませんでした。

祐輔さんの通勤を踏まえて、岐阜駅から徒歩圏内で物件を探し始めたものの、中心市街地で条件に合う物件はなかなか見つからず、不動産サイトが更新されるのを何度も繰り返し確認する日々。そんな中、辿りついたのが今、下田さん一家が暮らしているこの場所です。

柳ケ瀬商店街で購入したドライフラワーがリビングを彩る

柳ケ瀬商店街で購入したドライフラワーがリビングを彩る

もともと建っていた築45年の民家をリノベーションをして住むつもりでしたが、家の状態から考えると、新築を建てるのと変わらない費用がかかってしまうことが分かり、思い切って新築でマイホームを建てることに。2019年1月に2階建ての新しい家が完成しました。

子どもができて改めて感じた、
まちの人の温かさ

産後、孤独感から塞ぎ込むことが多かったという花子さん。祐輔さんは、週末や夜遅くまで仕事のことが多く、子育てをいわゆる“ワンオペ”で乗り越えなければならない状況でした。
外に出るのも億劫になりかけていた花子さんの元に、岐阜市から地域の子育てサークルの案内ハガキが届きます。その案内を頼りに、会場へ足を運ぶと、そこには子育て真っ最中のお母さんたちが集まっていて、情報や悩みを共有したり、広々とした空間で子どもを遊ばせたりしていました。そこでの母親同士の交流や、情報共有はとても心強く、助けになったといいます。

子育てに関する情報を一冊にまとめた「親と子のハンドブック ぶりあ」

子育てに関する情報を一冊にまとめた「親と子のハンドブック ぶりあ」

もう一つ、花子さんが頼りにしたのが、岐阜市から子どもを持つ家庭に配布される「親と子のハンドブック ぶりあ」。児童館や24時間対応の相談窓口など子育て関連の行政情報が一冊にまとまっていて、それを読んで近所の児童館に通うようになりました。

「家で子どもと二人きりって、すごく孤独なんです。児童館の職員さんに親身に話を聞いていただいたり、子どもが家にはないおもちゃで遊べたり。本当に助かりました」。(花子さん)

幼い小花ちゃんを連れて柳ケ瀬商店街に買い物に行けば、信号待ちで見知らぬおばあちゃんが声を掛けてくれたり、財布を出すのに困っていると助けてくれたり、子どもができたことで、花子さんは岐阜市のまちの人の温かさに改めて気づきました。

「ドリームシアター岐阜」はお出かけの定番。

「ドリームシアター岐阜」はお出かけの定番。

2021年には、家族中心の暮らしができるようにと祐輔さんが愛知県清須市にある会社に転職。今では毎日家族3人揃って夕食時に団欒し、休日は一緒に出掛けています。

そして、小学生になった小花ちゃんのお気に入りの施設が「ドリームシアター岐阜」。屋内施設のため、雨でも遊ぶことができ、岐阜市内在住の小中学生は入館料が無料なので、下田さん一家はすっかり常連です。遊具や楽器で遊んだり、工作体験ができたり、1日過ごしても飽きることがないほど。小学生以上は親の同伴なしでも過ごすことができるため、朝、小花ちゃんをドリームシアター岐阜まで送って、夕方また迎えに行くということもあるそうです。

ドリームシアター岐阜の4階にある「ふれあいルーム」が小花ちゃん一番のお気に入り。

ドリームシアター岐阜の4階にある「ふれあいルーム」が小花ちゃん一番のお気に入り。

晴れた日には、近くの公園に出かけたり、祐輔さんの趣味である登山を楽しんだり、岐阜市での暮らしを満喫しています。

「岐阜市に来る前から登山が趣味でしたが、大阪だと京都や神戸まで足を伸ばさないといけないんです。岐阜市はまちのすぐ近くに自然があって気軽に山登りができるのがすごく良いですよね。」(祐輔さん)

大好きな“柳ケ瀬”が詰まったマイホーム

2019年から暮らしているマイホームには、まちを楽しむ下田さん一家ならではのこだわりがたくさん詰まっています。
インテリアには柳ケ瀬商店街にある「古道具mokkumokku」で購入した昭和レトロな扉、花子さんの現在の職場である「やながせ倉庫」にお店を構えるドライフラワー専門店「花雑貨 Roji」のドライフラワー、ロイヤル劇場ビルにあるインテリアショップ「四角商店」のオリジナルチェア、「ユキヒト工務店」によってリメイクされたダイニングテーブル…と、下田さんが大好きな“柳ケ瀬”が大集合。どれも、柳ケ瀬で出会った友人たちの顔が思い浮かぶものばかりです。

イベント開催時の柳ケ瀬商店街。多くの人で賑わう。

イベント開催時の柳ケ瀬商店街。多くの人で賑わう。

実は花子さんは、高校生から20代の頃は、岐阜市出身であることや実家に畑があることがコンプレックスで、旅先の海外で出身地を聞かれた時には「名古屋出身」と答えていたと言います。

しかし、柳ケ瀬商店街で勤めるようになって、個性豊かで優しい人たちと出会い、この地域とそこで繋がった人たちが、いつしか大切な存在になっていきました。花子さんは今も、フリーランスで家計相談の仕事をする傍ら、妊娠中から勤めている「やながせ倉庫団地」でスタッフとして働いています。

そして、縁もゆかりもない岐阜市に移住してきた祐輔さんも、そんな仲間に囲まれて暮らす花子さんと出会ったことで、自然と岐阜市のまちに馴染んでいきました。

下田 祐輔さん、花子さん、小花ちゃん

岐阜市のまちを愛するとともに、まちから愛される、下田さん一家の仲睦まじいその姿から、笑顔の輪が周りの人たちへも広がっています。


花子さんのInstagram
タネマキハナコ:@tanemaki.hanaco

実際のインタビューの様子はこちらの動画をご覧ください。
ココカラインタビュー14

 

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