伝統工芸品
薄くて丈夫な美濃和紙や良質な竹、豊富な水源に恵まれた岐阜市には、古くから独自の工芸文化が生まれ、職人の手によって発展してきました。その繊細な技法は今もなお受け継がれ、日々の暮らしに溶け込んでいます。
熟練の技が生み出す粋な佇まい 岐阜和傘
宝暦6(1756)年に下級武士の内職として奨励されて以来、岐阜市加納では和傘づくりが栄えました。100以上の制作工程が、熟練の腕をもつ骨師や張師、仕上師など十数人の手を経て仕上げられます。パリッと小気味良い音を立てて花が咲くように開く和傘。その複雑な骨組みからは細やかな職人技を見ることができ、閉じたときには真竹のしなやかさと気品が感じられます。歌舞伎の舞台や全国各地のお祭りでも目にすることができます。 【問い合わせ】 岐阜市和傘振興会 TEL.058-271-3958
艶やかな美しさが目を引く 岐阜うちわ
一本の竹節から土台の骨を作る独自の工法を用いる「岐阜うちわ」。紙はりや下地塗りといった工程では、季節や天候に合わせて糊の濃さや乾燥の仕方を工夫する必要があり、長年の経験を要します。漆で艶やかに仕上げる漆うちわ、柿渋を塗った渋うちわ、雁皮紙に自然素材のニスを塗り重ねる水うちわなど種類もさまざま。おもに県産品で作られた、岐阜の涼を感じられる逸品です。 【問い合わせ】 住井冨次郎商店 TEL.058-264-4318
柔らかな灯りに心が安らぐ 岐阜提灯
秋草や風景を描いた繊細優美な火袋が特徴の岐阜提灯。徳川幕府に献上されたこともあり、その高度な技術から経済産業大臣指定伝統的工芸品に選定されています。組み上げた張り型に極細のヒゴを巻き、摺込師が摺り込んだ絵紙を丁寧に重ねる張りの技法や、無地の火袋に絵師が直接描く絵付の技法など、非常に繊細な工程を重ねて完成させる岐阜提灯。優美な色彩と和紙を通して漏れる柔らかな灯りが、心に安らぎを与えてくれます。 【問い合わせ】 岐阜提灯協同組合 TEL.058-263-0111
ギャラリー
投稿日:2015.12.11 最終更新日:2015.12.11