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「私は制作する際に、自然物からインスピレーションを得ることが多いです。山や川が近くにある岐阜は、そんな私に合ったまちだと感じます」。画家として広く海外からも注目を集める、工藤千紘さん。2021年春、愛知県内から岐阜市に拠点を移した。
アトリエとして使える場所を探す中で出会ったのが、美殿町のとある物件だ。大家さんは器の店を営むご一家で、以前倉庫として使っていた3階のスペースを借りられることになった。工藤さん一人で使うには広すぎるため、共同で借りる人を探したところ、「そういう場所があるならぜひ」と希望者が集まった(工藤さんによると、アトリエに適した場所を探そうとしても適した物件は少なく、多くの人が場所探しに苦労しているそうだ)。
かくして2021年11月にスタートしたのが、共同アトリエ「Art Studio Pomino(アートスタジオ ポミノ)」である。アトリエの大家さんは普段から陶芸家などとも接点があるだけに、作家の仕事への理解が深く、自由な創作活動を応援してくれているそうだ。
工藤さんは今後、まちにアートが自然に溶け込むような、未来の姿をイメージしているという。「まちのいろんな場所にアートがある状態をつくり出したいと思っています。まだ構想段階ですが、絵画教室などを通して地域と関わることも考えています。そうした私たちの活動が、まちの人たちに画家という存在を理解してもらえるきっかけになったらうれしく思います」。
■工藤千紘さん
青森県出身。2014年に名古屋芸術大学大学院洋画制作研究修了。「第11回 TAGBOAT AWARD」入選などの受賞・入選歴がある。2021年にはイギリスや台湾で個展を開催するなど、海外での評価も高い。
投稿日:2022.01.12 最終更新日:2023.12.07