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愛着と賑わい。時代を超えたビルの話岐阜ビル 内観
柳ケ瀬に近い若宮町。昭和の時代、このまちに住んでいた一家が東京に移り住むことになり自宅を売った。その場所に建てられたのが、4階建てのビル。証券会社のオフィスとして長く使われたという。
時が移って平成の中頃、歴史が再び動く。東京にいる元の持ち主がビルごと土地を買い戻したのだ(この場所への愛着が理由だという)。しばらく使われずにいたが、令和に入りオーナーはここを再び「人で賑わう場所にしたい」と考えた。

建築家の北村直也さん

建築家の北村直也さん

相談を受けたのが、オーナーの親戚で建築家の北村直也さんだ。「ビルの運営を含めて依頼されましたが、私は建築家なので運営は門外漢です。初めはどうしようかと思いました」。つてをたどり、様々な方々のアドバイスや協力を得た北村さん。1階をレンタルスペースにして2階以上はテナントを募るという方針を決め、改修を進めた。
「1階は、こだわりのある人が集まる公共施設というイメージです」。バタフライ状に開くガラス扉や赤いカーテンで、かつての柳ケ瀬の劇場の華やかさを表現した。「こういう箱状の大きなスペースは珍しいようで、ジャズなどのライブ会場としても使っていただいています」。1階の独特の雰囲気が引き寄せたのだろうか。2階以上にも、“普通のビル”では飽き足らない人たちが集まってきた。「誰か一人のセンスで全体をコントロールするのではなく、自由な使い方から面白いものが生まれると思います。マニアックな人たちが、ちょっと変わったことをする場所になったらいいですね」。時代を超えたビルが、人を惹きつける文化拠点に生まれ変わろうとしている。


岐阜ビル 外観■ 岐阜ビル
2021年4月18日オープン。1階は音楽ライブやDJイベント、美術作品の展覧会など多目的に使えるレンタルスペース。2〜4階は、生花店やカメラマンのオフィスなどのテナントが入る。大垣市出身の建築家・北村直也さんが設計・運営を担う。
【住所】岐阜市若宮町6-2
【お問い合わせ】058-227-9300